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2008 年度 実績報告書

自己免疫性肝炎におけるATPによる肝炎悪化のメカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 19790284
研究機関新潟大学

研究代表者

川村 宏樹  新潟大学, 医歯学系, 講師 (20333495)

キーワードATP / 自己免疫性肝炎 / マクロファージ / P2X_7受容体 / TNFα / NKT細胞 / T細胞 / IL-1β
研究概要

本研究は、自己免疫性肝炎のモデルあるマウスのCon A誘導性肝炎において、T/NKT細胞に傷害された肝細胞から放出されたATPがMφの活性や肝炎悪化に関与する経路を検討した。
1) Con A肝炎の症状時の血清中ATP濃度
Con Aを投与後、8時間から24時間の間に、肝炎の指標である血清ALT値の著しい上昇が認められた。同時に、16時間をピークとする血清ATP値の上昇が確認された。このことから、Con A投与によるリンパ球性の肝炎により、傷害された肝細胞からALTが放出されたことが示唆された。
2) in vitroでATPとCon A刺激によるMφのサイトカイン産生とそのシグナル経路
in vitroでATPとCon A刺激によるMφのサイトカイン産生能を測定した。その結果、IL-1βとTNFαが、Con A単独刺激よりATPを加えると有意に産生が増強され、Mφ上のP2X_7受容体とATPの結合による反応であると示唆された。また、IL-1βの産生はERK1/2のシグナル経路が重要であることが示された。
3) NKT細胞およびT細胞へのATPの影響
in vitroでATPとCon A刺激によるNKT細胞およびT細胞のサイトカイン産生能を測定した。その結果、IL-4が、Con A単独刺激よりATPを加えると有意に産生が増強された。これは、組織傷害でのATPがNKT細胞やT細胞にも更なる活性をもたらしていることが示された。
本検討より、肝炎により肝細胞から放出されたATPは活性化したMφ、NKT細胞およびT細胞を更に刺激して、サイトカインの産生増加を誘導することにより肝炎の悪化につながると示唆された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Appearance of B220low autoantibody-producing B-1 cells at neonatal and older stages in mice2008

    • 著者名/発表者名
      太刀川彩保仔、川村俊彦、川村宏樹、他4名
    • 雑誌名

      Clin Exp Immunol 153

      ページ: 448-455

    • 査読あり
  • [学会発表] ATPによるConA誘導性肝炎の症状悪化の経路2008

    • 著者名/発表者名
      川村宏樹
    • 学会等名
      第38回日本免疫学学会総会・学術集会
    • 発表場所
      京都
    • 年月日
      2008-12-03

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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