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2008 年度 実績報告書

マウス造血幹細胞を用いた肝細胞分化誘導法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 19790295
研究機関岩手医科大学

研究代表者

永田 有希  岩手医科大学, 医学部, ポストドクター (50405841)

キーワード再生医療 / 発生、分化 / 遺伝子 / 発現制御 / 核酸
研究概要

骨髄幹細胞は、さまざまな種類の細胞に分化可能であることから、失われた臓器を補充するための再生医療への応用が期待されている。しかしその分化機構の詳細はまだ不明な点が多い。本研究では、近年、分化、発生への重要な関与が示唆されたmiRNAに着目し、骨髄幹細胞から肝実質細胞への分化に関わるmiRNAの解析を行った。
マウス骨髄幹細胞であるSP細胞と、肝実質細胞との間で異なる発現を示すmRNAをマイクロアレイとリアルタイムPCRで解析した結果、SP細胞で非常に強い発現を示すものが3つ得られた(miR-451、-150、-223)。これらのmiRNAは血球系細胞への分化に働くことが報告されていたので、我々はその発現をSP細胞と骨髄細胞集団との間で比較した。その結果、これらはSP細胞特異的なものではなく、むしろ血球マーカーであることがわかった。
SP細胞で強い発現を示した他のmiRNAについても、骨髄細胞集団との間で発現量を比較した結果、SP細胞特異的な発現を示すものが3つに絞られた(miR-127、-325、-207)。この3つのmiRNAは、SP細胞の機能維持に関与している可能性が示唆される。なかでもmiR-127はBc12を標的としてその翻訳を抑制することが知られており、Bcl2の抑制はp53経路による細胞増殖の抑制を引き起こす。このことから、SP特異的に発現しているmiR-127は、幹細胞の静止期維持に関与しているのではないかと考えられる。MiR-207、-325の標的遺伝子のなかにも細胞増殖抑制に関与する遺伝子が含まれていることから、これら4)miRNAが協調して静止期維持に寄与していると考察した。一方、肝実質細胞特異的miRNAとしては、miR-122と-146が同定された。MiR-122は肝臓マーカーとしてすでによく知られており、miR-122の過剰発現が未熟な肝細胞を成熟した肝細胞へと分化させる可能性が考えられる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Differential micro RNA expression between bone marrow side population cells and hepatocytes in adult mice.

    • 著者名/発表者名
      Nagata Y., Maesawa C., Takikawa Y., Abo A. and Masuda T.
    • 雑誌名

      International journal of molecular medicine (投稿中)

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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