高血糖による糸球体内皮細胞および尿細管細胞障害を、脂質および硬化関連因子の観点から検討した。糖尿病を発症したマウス腎では、糸球体内皮細胞でのPPARgの減弱とメサンギウム細胞でのTGF-b1蛋白の増加がみられた。また尿細管細胞では脂質過酸化物の増加がみられた。Methylglyoxalで培養した内皮細胞ではPPARgは減弱し、TGF-b1は有意に高値を示した。また尿細管細胞では、活性酸素種の増加とアポトーシス細胞の増加を認めた。以上より、糖尿病性腎症の発症機序に、脂質および硬化関連因子が強く関連していると示唆された。
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