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2008 年度 実績報告書

非アルコール性脂肪肝(NAFLD)発症に関わる免疫学的検討

研究課題

研究課題/領域番号 19790299
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

入江 潤一郎  慶應義塾大学, 医学部, 助教 (70306687)

キーワード脂肪肝 / 糖尿病
研究概要

研究代表者は、リンパ球の刺激によりマウスに肝脂肪蓄積を誘導しうることを見出した。本病態の機序を解明するため、まずこの肝脂肪蓄積の誘導に要する刺激抗体の至適投与量、および本誘導に対する感受性の性差の検討を行った。至適投与量が50μgであり、また雌性の感受性が高いことが明らかとなった。次に肝臓に蓄積した脂肪成分の解析および血中の脂質プロファイルを検討した。肝臓内には中性脂肪およびコレステロールが蓄積しており、また血中のコレステロール値および中性脂肪値も増加していた。さらに肝脂肪蓄積の発症に寄与する液性、細胞性因子の検討を行い、リンパ球を有さないマウスでは本肝脂肪蓄積が生じないこと、リンパ球の移植を行うことで本病態が再現できることを見出した。また除去抗体を正常マウスに投与し、予めNK細胞やCD4陽性細胞を除去する前処置を行っておくと、本病態が生じ難くなることも見出した。これらの知見からNKマーカー陽性のTリンパ球が病態の形成に重要であると考えられ、これらの細胞を多く含む脂肪肝を生じている肝臓から得た細胞をリンパ球を有さないマウスに移植したところ、レシピエントに肝脂肪蓄積が生じた。以上のことより肝臓の脂肪蓄積には肝臓外からのエネルギー流入のみが重要なのではなく、肝臓周囲を取り囲む免疫担当細胞の活性化状態も重要であると考えられた。さらにこれら脂肪肝を有したマウスでは糖負荷検査で耐糖能の増悪を呈しており、本モデルが今後ヒトでのメタボリックシンドロームから糖尿病へ進行する病態の解析に有益なモデルとなることが考えられた。今後さらに肝脂肪蓄積に関わる分子機構を明らかとしていく予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Telmisartan but not candesartan affects adiponectin expression in vivo and in vitro2008

    • 著者名/発表者名
      Yamada S
    • 雑誌名

      Hypertension Research 31

      ページ: 601-606

    • 査読あり
  • [学会発表] コレスチミドの耐糖能への影響2009

    • 著者名/発表者名
      入江潤一郎
    • 学会等名
      第9回日本内分泌学会関東甲信越支部学術集会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2009-02-13
  • [図書] アンチエイジング医学の基礎と臨床-エネルギー代謝の理解-2008

    • 著者名/発表者名
      入江潤一郎
    • 総ページ数
      74-77
    • 出版者
      メジカルビュー社

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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