研究課題
ウシ結核菌ワクチン株の細胞骨格成分BCG-CWSは、成人病センターで先立って行われた臨床応用例とその強力な免、活性化能から、国内の施設で様々な形の臨床応用が企画されている。しかし、菌体から精製する巨大分子複合体であるため懸案事項が多いのも事実であった。そこで、申請者はBCG-CWSに代替可能なアジユバントの合成・開発を始めた。BCG-CWSはトル様受容体2および4のリガンドであり、抗がん疫作用には、樹状細胞から誘導されるIL-23、また、その後の応答で間接的に産生されるIFNγが重要な役割を持つが予想された。マウス実験モデルにおいて脾細胞内ではCD4+T細胞からのIFNγ産生を確認している。一方、トル様受容体2リガンドとして知られるマイコプラズマ由来リポペプチドはIL-23を誘導するがIFNγの誘導はほとんどおこらない。また、BCGーCWSと比較するとIL-23産生能も非常に弱い。そこで、我々は、このリポペプチド骨格をベースに追加機能を付加する改良を加え、天然に存在しないリポペプチド(化合物)を設計・合成した。今回、in vitroの実験系(ママヌ脾臓細胞を化合物で刺激し、誘導されるサイトカインの種類と量をELISAアレイで検出する)で、その活性を評価したところ、総合的な活性はBCG-CWSよりも弱いものであるが、誘導するサイトカインの種類が類似した化合物を得る事ができた。現在、活性を強化するための、さらなる改良を化合物に加え、より強力なBCG-CWS代替アジュバントを開発中である。
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