結核菌によるファゴリソソーム形成阻害過程のイメージング解析をおこない、(1)-(4)を明らかにした。 (1)後期エンドソームタンパク質Rab7は結核菌ファゴソームに貪食直後から局在する。 (2)貪食後30分以降から、局在していたRab7は結核菌ファゴソームからかい離する。 (3)リソソームマーカータンパク質であるCD63は結核菌ファゴソームに局在する。 (4)ファゴリソソーム形成を促進するRILPが局在する結核菌ファゴソームは、感染30分後以降は増加しない。 以上の結果は、(1)結核菌ファゴソームに後期エンドソームやリソソームが融合してファゴリソソーム形成が行われるが、(2)感染30分後以降からRab7は結核菌ファゴソームからかい離して、持続したリソソームとの融合が阻害される。ことを示唆する。 また、結核菌ファゴソームには局在しないカテプシンDは結核ワクチン株であるMycobacterium bovis BCG(BCG)には局在するが、ファゴソームへの集合と活性化が阻害されていることを明らかにした。
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