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2007 年度 実績報告書

腸管出血性大腸菌の3型蛋白質輸送装置と協調的に発現する病原性遺伝子群の発現制御

研究課題

研究課題/領域番号 19790330
研究機関国立感染症研究所

研究代表者

伊豫田 淳  国立感染症研究所, 細菌第一部, 研究員 (70300928)

キーワード腸管出血性大腸菌 / LEE / 遺伝子発現制御 / 3型蛋白質輸送装置
研究概要

腸管出血性大腸菌が保有する病原性遺伝子群LEE(locus of enterocyte effacement)の転写発現は,LEEにコードされるセントラルレギュレーターLerによって正に制御されている。Lerの発現は,同じくLEE領域内にコードされるGrlAおよびGrlRによって正および負に制御されている。これまでの我々の研究から,GrlAはLerを介したLEEの遺伝子発現制御のみならず,運動器官であるべん毛の形態形成や機能発現に関わる遺伝子の発現を負に制御していることが明らかとなっている。これらの表現型は,いずれもGrlR欠損下でGrlAが脱抑制することによって起こることが明らかとなっている。我々はこのGrlR変異株をさらに解析する過程で,腸管出血性大腸菌が分泌する溶血素(エンテロヘモリシン)の活性が著しく上昇することを見出した。この表現型はLerとの二重欠損株でも同様に観察されるが、GrlAとの二重欠損株では消失することから、Lerの機能を介さずにGrlAに依存して見られる現象と考えられる。今年度の研究から,エンテロヘモリシンオペロンの先頭の遺伝子ehxCとlacZとの転写融合遺伝子。FLAGタグとの翻訳融合遺伝子をゲノム上で作製し,それぞれの発現量を解析した。その結果,エンテロヘモリシンの発現レベルはGrlAによって活性化し,この制御は転写レベルで行われていることを確認した。これらの結果はRT-PCR法によっても確認された。GrlAに依存したエンテロヘモリシンの活性化は他の臨床分離O157株でも同様に確認されたことから,O157に共通な発現制御機構であることが明らかとなった。LEEの発現制御因子GrlAは少なくともべん毛およびエンテロヘモリシンの活性を制御するグローバルレギュレータであることが示唆された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Molecular characterization of enterohemorrhagic Escherichia coli157:H7 isolates dispersed across Japan by pulsed-field gel electrophoresis and multiplelocus variable-number tandem repeat analysis2008

    • 著者名/発表者名
      Pei Y., et. al.
    • 雑誌名

      Jpn J Infect Dis 61

      ページ: 58-64

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Identification of enterohemorrhagic Escherichia coli O157-Specific DNA sequence obtained from amplified fragment length polymorphism analysis2007

    • 著者名/発表者名
      Tokunaga A., et. al.
    • 雑誌名

      Microbiol Immunol 51

      ページ: 883-888

    • 査読あり
  • [学会発表] 腸管出血性大腸菌における病原性遺伝子群の統括的発現制御因子GrlAの機能に関する遺伝学的解析2008

    • 著者名/発表者名
      伊豫 田淳
    • 学会等名
      第81回日本細菌学会総会
    • 発表場所
      京都・国立京都国際会館
    • 年月日
      2008-03-26

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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