我々は、癌抑制遺伝子産物Rbのリン酸化状態の変化がC型肝炎ウイルス(HCV)の複製に及ぼす効果を調べるため、Rbをリン酸化するサイクリン依存性リン酸化酵素(CDK)の阻害剤を利用した。その結果、複数のCDK阻害剤が培養細胞でのHCVの複製を抑制することを発見した。特に、CDK4の過剰発現はウイルス複製を活性化し、ノックダウンはウイルス複製を抑制したことから、CDK4の関与は明らかである。更に我々は、ヒト肝臓キメラマウスを用いたHCV感染の動物モデルでも、CDK阻害剤が抗HCV効果を有することを実証した。
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