高分子複合体によるレトロウイルスの宿主細胞ゲノムへの同化機構の解明

2008 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 19790338
• 研究種目: 若手研究(B)
• 配分区分: 補助金
• 研究分野: ウイルス学
• 研究機関: 京都大学
• 研究代表者: 鈴木 陽一 京都大学, ウイルス研究所, 特別教育研究准教授 (40432330)
• 連携研究者: 小柳 義夫 京都大学, ウイルス研究所, 教授 (80215417)
• 研究協力者: 小川 加那子 京都大学, ウイルス研究所, 教務補佐員 ; 山元 誠司 京都大学, ウイルス研究所, 大学院生 ; 鈴木 康嗣 京都大学, ウイルス研究所, 大学院生 ; CRAIGIE Robert National Institutes of Health, Laboratory of Molecular Biology, Senior Investigator ; DYDA Fred National Institutes of Health, Laboratory of Molecular Biology, Senior Investigator
• 研究期間 (年度): 2007 – 2008
• キーワード: レトロウイルス / 高分子複合体 / インテグレーション / ラミナ関連蛋白質

研究概要

レトロウイルスの特徴は、ウイルスゲノムを標的細胞の染色体に組み込むことである。この組み込み反応は様々な蛋白質から成る高分子複合体によって実行されるが、本研究ではその細胞性構成因子として報告されているラミナ関連蛋白質(BAF、LAP2α)のウイルスゲノム組み込みに果たす役割を解析した。その結果、これらの蛋白質はウイルス性高分子複合体の安定性を高め、染色体への架橋を促進していることが示された。一方、高分子複合体の機能不全を誘起しうる細胞性因子の同定に至った。

研究成果

• [雑誌論文] エイズウイルス : 細胞とウイルスのせめぎあい (2008)
  • 著者名/発表者名: 鈴木陽一, 小柳義夫
  • 雑誌名: 細胞工学 27 ページ: 1261-1268
• [雑誌論文] IV増殖を制御する宿主因子 (2007)
  • 著者名/発表者名: 鈴木陽一, 小柳義夫
  • 雑誌名: 蛋白質核酸酵素 52 ページ: 1207-1213
• [雑誌論文] Structural basis for dimerization of LAP2α, a component of the nuclear lamina (2007)
  • 著者名/発表者名: Christina Bradley, Sarah Jones, Ying Huang, Youichi Suzuki, Mamuka Kvaratskhelia, Alison Burgess Hickman, Robert Craigie, Fred Dyda
  • 雑誌名: Structure 15 ページ: 643-653
  • 査読あり
• [雑誌論文] The Road to chromatin - nuclear entry of retroviruses (2007)
  • 著者名/発表者名: Youichi Suzuki, Robert Craigie
  • 雑誌名: Nature Reviews Microbiology 5 ページ: 187-196
  • 査読あり
• [学会発表] Functional association of HIV-1 and MoMLV integrase with HECT-domain ubiquitin ligase Huwe1 (2008)
  • 著者名/発表者名: Seiji Yamamoto
  • 学会等名: The 9th Kumamoto AIDS Seminar
  • 発表場所: Kumamoto
  • 年月日: 20080918-19
• [学会発表] インターフェロンオメガ1によるHIV-1感染抑制機構の解析 (2008)
  • 著者名/発表者名: 篠田康彦
  • 学会等名: 第22回日本エイズ学会学術集会・総会
  • 発表場所: 大阪
  • 年月日: 2008-11-26
• [学会発表] Small GTPase Rac2によるHIV-1産生抑制 (2008)
  • 著者名/発表者名: 渡部匡史
  • 学会等名: 第22回日本エイズ学会学術集会・総会
  • 発表場所: 大阪
  • 年月日: 2008-11-26
• [学会発表] TAP-MS法によるインテグレース結合因子Huwe1の同定とその解析 (2008)
  • 著者名/発表者名: 山元誠司
  • 学会等名: 第22回日本エイズ学会学術集会・総会
  • 発表場所: 大阪
  • 年月日: 2008-11-26
• [学会発表] 細胞性キナーゼVRK1によるレトロウイルスインテグレーション機能の阻害とその分子メカニズム (2008)
  • 著者名/発表者名: 鈴木康嗣
  • 学会等名: 第56回日本ウイルス学会学術集会
  • 発表場所: 岡山
  • 年月日: 2008-10-26
• [学会発表] Small GTPase Rac2によるHIV-1増殖抑制 (2008)
  • 著者名/発表者名: 渡部匡史
  • 学会等名: 第56回日本ウイルス学会学術集会
  • 発表場所: 岡山
  • 年月日: 2008-10-26
• [学会発表] Functional disruption of the MoMLV PIC by a cellular kinase, VRK (2008)
  • 著者名/発表者名: Youichi Suzuki
  • 学会等名: 3rd International Conference on Retroviral Integrase
  • 発表場所: Woods Hole, USA
  • 年月日: 2008-09-14
• [学会発表] VRK induces dysfunction of the MoMLV PIC through phosphorylation of BAF (2008)
  • 著者名/発表者名: Yasutsugu Suzuki
  • 学会等名: 3rd International Conference on Retroviral Integrase
  • 発表場所: Woods Hole, USA
  • 年月日: 2008-09-14
• [学会発表] Interferon-w1 is a powerful inhibitor for HIV-1 infection (2008)
  • 著者名/発表者名: Yasuhiko Shinoda
  • 学会等名: Cold Spring Harbor Laboratory Meeting on Retroviruses
  • 発表場所: Cold Spring Harbor, USA
  • 年月日: 2008-05-19
• [学会発表] Identification of cellular interactors to MoMLV integrase using tandem affinity purification-mass spectrometry analysis (2008)
  • 著者名/発表者名: Seiji Yamamoto
  • 学会等名: Cold Spring Harbor Laboratory Meeting on Retroviruses
  • 発表場所: Cold Spring Harbor, USA
  • 年月日: 2008-05-19
• [学会発表] Non-stimulated PBMCにおいて増殖するHIV-1の分離とその性状の解析 (2007)
  • 著者名/発表者名: 鈴木陽一
  • 学会等名: 第21回日本エイズ学会学術集会・総会
  • 発表場所: 広島
  • 年月日: 2007-11-28
• [学会発表] インターフェロンオメガ1によるHIV-1感染抑制 (2007)
  • 著者名/発表者名: 篠田康彦
  • 学会等名: 第55回日本ウイルス学会
  • 発表場所: 札幌
  • 年月日: 2007-10-21