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2007 年度 実績報告書

転写因子AP-4によるHIV潜伏感染維持と破綻機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 19790345
研究機関名古屋市立大学

研究代表者

今井 健一  名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 研究員 (60381810)

キーワードウイルス / HIV / 潜伏感染 / AP-4 / 転写
研究概要

現在,HIV潜伏感染はAIDSにおける最も大きな問題の一つであるが,潜伏感染に対する有効な治療手段はなく,潜伏感染に関する基礎研究は緊急の課題となっている。我々はこれまでに,AP-4がHDACをLTRヘリクルートすることによりクロマチンレベルで潜伏感染維持に関与していることを報告した。今回の研究課題ではHIV潜伏感染機構の成立と破綻のメカニズムを転写レベルでより解明するために,LTRに結合するAP-4を含む複合体や新たなHIV抑制因子の同定と,それら抑制因子の遊離機構に関して研究を行った。まずHIV潜伏感染に関わる新たな分子の同定のために,LTR DNAカラムとHela細胞の核抽出液を用いたDNA-蛋白結合実験を行った。LTR配列,AP-4などの結合配列を変異させた変異オリゴを作成後,DNA結合ビーズを作成,Handee Mini-Spin Columnを用いてDNA結合ビーズと核抽出液をインキュベーションし相互作用反応を行った。溶出液をSDS PAGE後,銀染色を行った結果,LTRに結合しうる因子として数本のバンドが確認できた。現在,反応・泳動条件を再検討し追試実験で同様のバンドが得られるか否か確認している。実験の再現性が確認できたところで,質量分析による蛋白同定を行う予定である。また,本研究を遂行する過程で,新たにT-cell分化等に関わるSchnurri-2がLTRのNF-kBサイトに結合し,NF-kBの活性化を阻害することによりHIVの複製を抑制していることを見出した。潜伏感染の破綻機構としては,グラム陰性菌がLTRのクロマチンリモデリングを介してHIVを活性化するということがわかり,現在実験を継続中である。また,共同研究としてHIVの抑制因子であるRAIがSp1を抑制することにより胎盤の分化に関わっていることを報告した。(Endocrinology.148(12),p5803,2007

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Involvement of ReIA-Associated Inhibitor in Regulation of Trophoblast Differentiation via In teraction with Transcriptional Factor Specificity protein-12007

    • 著者名/発表者名
      Minekawa, R
    • 雑誌名

      Endocrinology 148(12)

      ページ: 5803-5810

    • 査読あり
  • [学会発表] Cychn T1はHIV Tatの安定性に関与する2007

    • 著者名/発表者名
      今井 健一、朝光 かおり、岡本 尚
    • 学会等名
      第21回日本エイズ学会学術集会.総会
    • 発表場所
      広島国際会議場
    • 年月日
      20071128-30

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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