• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2009 年度 実績報告書

コロナウイルス細胞侵入機構の解明:ウイルス膜融合蛋白の活性化に伴う構造変化の検出

研究課題

研究課題/領域番号 19790346
研究機関国立感染症研究所

研究代表者

松山 州徳  国立感染症研究所, ウイルス第3部4室, 主任研究官 (90373399)

キーワードウイルス / 構造変化 / 感染 / S蛋白 / MHV / エンベロープ / 中間体 / 膜融合
研究概要

SARSコロナウイルスのモデルウイルスである、マウスのコロナウイルス(mouse hepatitis virus strain 2 : MHV-2)を用い、スパイク(S)蛋白の動作メカニズムの解析を行った。エンベロープウイルスが標的細胞に侵入するためには、ウイルスの脂質二重膜(エンベロープ)と細胞の脂質二重膜を融合させる必要があるが、S蛋白は膜融合過程の全てを仲介している。S蛋白は連続的な構造変化によって活性化すると考えられており、そのメカニズムは未だ解明されていない。本研究ではまず、S蛋白の構造変化中間体の検出をウエスタンブロット法とリボソーム浮揚法により試みた。S蛋白はレセプター蛋白(mouse CEACAM1a)に結合することにより構造変化し、膜融合ペプチドを露出した状態で安定した構造変化中間体をとることが解った。この中間体はプロテアーゼ切断が行われない限り構造変化を停止しているため、非常に安定していると考えれられる。様々なウイルスで、S蛋白の構造変化中間体を安定した状態で検出できることは稀である。またプロテアーゼ感受性を調べることにより、この「安定構造」は非対称構造をとる可能性があること、また構造変化最終段階である6ヘリックスバンドル(6HB)構造を誘導できることが解った。さらにMHV-2の構造変化は2ステップの構造変化をとること、つまりレセプター結合とトリプシン切断により二段階の構造変化を必要とすることがわかった。これらの特性により、MHV-2を使った研究からS蛋白の動作について新たな知見が得られることが期待できる

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Two-step conformational changes in a coronavirus envelope glycoprotein mediated by receptor binding and proteolysis.2009

    • 著者名/発表者名
      Shutoku Matsuyama
    • 雑誌名

      Journal of Virology 83

      ページ: 11133-11141

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Cell entry mechanisms of coronaviruses2009

    • 著者名/発表者名
      Taguchi F, Matsuyama S
    • 雑誌名

      Uirusu 51

      ページ: 215-222

  • [学会発表] Viral and cellular membrane fusion in the course of coronavirus infection2009

    • 著者名/発表者名
      松山州徳
    • 学会等名
      日本細胞生物学会
    • 発表場所
      名古屋国際会議場
    • 年月日
      2009-06-02

URL: 

公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi