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2007 年度 実績報告書

擬似粒子を用いたポリオ後症候群モデルマウスの作製

研究課題

研究課題/領域番号 19790347
研究機関国立感染症研究所

研究代表者

有田 峰太郎  国立感染症研究所, 国立感染研究所, 主任研究官 (70356244)

キーワードポリオウイルス / ポリオ後症候群 / 残存性麻痺 / 複製 / 阻害剤 / スクリーニング / 擬似ウイルス / マウスモデル
研究概要

ポリオウイルス擬似粒子を用いてマウスに残存性ポリオ様麻痺を生じさせる条件の確立を目的として,擬似粒子の接種経路,接種量,および感染に感受性である組織について検討した。結果,ポリオウイルス擬似粒子は,脊髄内に接種したときにのみマウスにポリオ様の麻痺を引き起こした。擬似粒子を筋肉内接種および静脈内接種した場合には,脊髄内における複製および麻痺を検出できなかった。特に,4.1×10^6感染単位以上のポリオウイルス擬似粒子を脊髄内に接種した場合,ほぼ全てのマウスが重篤な残存性ポリオ様麻痺を呈した。
ポリオ後症候群の発症に関与する宿主遺伝子群を同定することを目的として,ポリオウイルスの複製に関与する遺伝子群の探索を行った。具体的には,宿主細胞の因子をターゲットとする薬理活性が確認されている化合物のライブラリーを用いて,ポリオウイルスの複製への影響を調べた。結果,GW5074というRaf-1阻害剤が強い複製阻害効果を持つことを見出した。GW5074存在下でポリオウイルスを感染・継代を繰り返しても,耐性を示す変異株が分離されなかった。GW5074は,ポリオウイルスに近縁であるが異なる種であるエンテロウイルス71の複製に対しても阻害効果を示したが,異なる科に属するセンダイウイルスの複製は阻害しなかった。ただし,siRNAを用いた遺伝子ノックダウン解析により,GW5074のターゲットであると考えられているRaf-1の発現を低下させても,ポリオウイルスの複製およびGW5074の阻害作用曲線に影響しなかった。よって,GW5074は宿主の遺伝子もしくはエンテロウイルスで非常に保存された部位をターゲットとして,ポリオウイルスの複製を阻害することが示唆された。

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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