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2008 年度 実績報告書

ウイルス侵襲が脳内グリア細胞のケモカイン産生を誘導する分子機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 19790349
研究機関国立感染症研究所

研究代表者

中道 一生  国立感染症研究所, ウイルス第一部, 主任研究官 (50348190)

キーワードグリア / 脳 / ケモカイン / ウイルス
研究概要

ウイルス侵襲に対する脳のケモカイン応答は感染局所への白血球の動員を促進し、病原体の排除に働く。本研究は、ウイルス侵襲に対するグリア細胞のケモカイン応答を生体レベルで明らかにすることを目的とする。平成20年度では、RNAウイルスおよびDNAウイルスに感染したマウスの脳における時間的・空間的なケモカイン応答を解析した。RNAゲノムを有する狂犬病ウイルスをC57BL/6マウスの大腿部筋肉内に接種し、症状が生じる7日後におけるケモカイン発現を調べた。狂犬病ウイルスを接種したマウスの脳では、脳全体において代表的なケモカインであるCCL5およびCXCL10の発現量が増加することを明らかにした。次に、脳定位固定装置およびマイクロインジェクターを用いて、DNAゲノムを有するポリオーマウイルスを脳に微量投与し、接種直後(0日)および2日、4日、6日、8日、10日、12日、14日、30日後において脳を採取した。得られた脳から組織スライスを作製した後、RNAを抽出しケモカインおよびサイトカインの遺伝子発現量をリアルタイムPCRによって測定した。ポリオーマウイルスを接種したマウスの脳では、ウイルスゲノムの増加に伴ってケモカインCCL5の発現量が増加することを示した。また、他のケモカインおよびサイトカインの発現量には変動が見られなかったことから、ポリオーマウイルスは感染細胞においてCCL5の発現を直接的に誘導することが推察された。加えて、神経細胞間を伝播する狂犬病ウイルスと比較して、感染細胞の核において蓄積するポリオーマウイルスの脳内伝播は限定的であり、接種局所においてケモカイン応答が誘導されることが分かった。以上より、脳におけるCCL5の発現は、ウイルスゲノムの種類ならびに組織内の伝播様式に関わらず誘導されることを示した。

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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