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2008 年度 実績報告書

免疫抑制受容体PD-1がT細胞にもたらす不応答性プログラムの解析

研究課題

研究課題/領域番号 19790356
研究機関京都大学

研究代表者

竹馬 俊介  京都大学, 医学研究科, 助教 (50437208)

キーワード免疫学 / 免疫寛容 / 自己免疫 / 抗原不応答性(アナジー) / がん免疫 / 免疫抑制 / 免疫制御 / T細胞
研究概要

PD-1は、TおよびB細胞に発現する免疫グロブリン様レセプターとして同定され、生理的なリンパ球の活性化の後、過剰な活性化を抑制するキー分子であると考えられている。しかしながら、CD4(ヘルパー)およびCD8(キラー)T細胞、そしてB細胞という、個別の免疫担当細胞におけるPD-1の詳細な機能解析は途上である。当該年度には、抗原ペプチドを投与した2CPD1KOマウスとコントロールの2Cマウス(2CPD1WT)を個体レベル、細胞レベルで比較し、CD8T細胞のアナジー(不応答性)誘導を起こすメカニズムを探索した。結果、アナジー抵抗性であった2CPD1KOマウスでは、抗原投与時に、血清中に多量のIL-2が検出され、これを中和することにより2CPD1WTと同じく、アナジー誘導が起こった。逆に、IL-2の補てんによって、アナジーの回避が起こることを明らかにし、論文発表した。IL-2は、メモリーT細胞の形成に不可欠であるサイトカインであり、これが、T細胞の不応答性の獲得にも関わる、PD-1のターゲット因子である可能性が示唆された。また、PD-1のブロッキング療法は、がん患者において、新規のがん免疫増強療法として注目されているが、本研究によって、その作用機序の一端を明らかにできた。また、マイクロアレイを用いた細胞レベルでの発現遺伝子比較により、非常に少数の遺伝子が、抗原投与したアナジー感受性、抵抗性細胞で違うことがわかった。現在、RT-PCRでも再現が取れた遺伝子について、レトロウイルスによるT細胞株への導入を行い、これら、新規免疫寛容関連遺伝子群の機能解析をおこなっている。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] PD-1-mediated suppression of IL-2 production induces CD8+T cell anergy in vivo2009

    • 著者名/発表者名
      Chikuma S., et.al.
    • 雑誌名

      The Journal of Immunology 182

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Identification of QTLs that modify peripheral neuropathy in NOD. H2b-Pdcd1-/- mice2009

    • 著者名/発表者名
      Jiang, Yoshida, Nakaki, Terawaki, Chikuma S, et.al.
    • 雑誌名

      International Immunology

    • 査読あり
  • [学会発表] PD-1 induces T cellanergy by limiting autonomous IL-2 production2008

    • 著者名/発表者名
      Chikuma S., et.al.
    • 学会等名
      第38回日本免疫学会総会・学術集会
    • 発表場所
      京都
    • 年月日
      2008-12-03
  • [学会発表] マウスPD-1の転写機構/Transcriptional Mechanisms of Mouse PD-1 Gene2008

    • 著者名/発表者名
      Terawaki S, Chikuma S, et.al.
    • 学会等名
      第38回日本免疫学会総会・学術集会
    • 発表場所
      京都
    • 年月日
      2008-12-03

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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