研究課題
肥満細胞は、寄生虫感染においてその排除に働く重要な細胞であるが、近年、それ以外にウイルスや細菌感染に対する応答にも、重要な役割を果たしている事が明らかにされている。また我々は、Helicobacter Pyorei(H.pyori)による胃炎発症には、獲得免疫系を介する全身性免疫反応が必須であることを見出している。そこで本研究では、H.pyori憾染における肥満細胞の重要性を明らかにするため、肥満細胞欠損マウスを用いてH.pylori感染実験を行い、その重要性について検討した。肥満細胞欠損するW^<sh>/W^<sh>マウスに(螺旋状の)H.pyoriを感染させると数ヶ月後に胃炎を発症するが、この際に粘膜固有層に抗体産生細胞である形質細胞に類似する細胞が多数浸潤するため、血清中のH.pyori抗原特異的抗体を測定したところ、W^<sh>/W^<sh>マウスで有意に抗原特異的IgG及びIgAの産生が上昇していた。この現象は、他の肥満細胞欠損マウスであるW/W^<v>マウスやSl/Sl^dマウスでも見られることから、肥満細胞欠損による可能性が考えられた。W^<sh>/W^<sh>マウスではこの抗体価の上昇の影響のために、H.pyori感染において肥満細胞が存在しない状態での純粋なT細胞の機能を調べることが出来ない。そこで、W^<sh>/W^<sh>マウスとRag2欠損マウスを交配した(W^<sh>-Rag)マウスにT細胞を移入すべく、W^<sh>-Ragマウスを作出した。このマウスはコントロールマウスに比べて体が小さい個体が多いものの、正常に産まれることが明らかになった。
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