本研究では、患者がチューブ類の自己抜去を起こす危険度を事前に評価し、適切な対応の選択を可能とする「自己抜去リスク・アセスメントシート」を、エビデンスに基づいて統計的な手法を用いて開発し、その有効性を検証することを目的としている。 平成20年度は、東邦大学医療センター大森病院において、昨年度文献調査により明らかにした自己抜去のリスクファクターにもとついて試作した情報収集用の調査用紙を使用して各種チューブを装着している患者の状態について情報収集を行った。 2008年8月から2009年1月まで情報収集を行ったが、自己抜去を起こした患者の情報が十分に収集できなかったため、情報収集期間を2009年3月まで延長し、情報収集に努めた。 中間集計をもとに統計的検討を行い、自己抜去リスクアセスメントシートの試作をしたが、感度・特異度に改善の余地があることが判明した。サンプル数の不足がその主な原因と考えられたため、来年度以降は調査対象を広げるとともに、サンプル数を増やしたうえで再分析を行う必要があると考えられた。
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