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2008 年度 実績報告書

トランスポーター輸送のリアルタイムイメージング

研究課題

研究課題/領域番号 19790384
研究機関東北大学

研究代表者

山口 浩明  東北大学, 病院, 助教 (80400373)

キーワードトランスポーター / 蛍光プローブ / イメージング
研究概要

これまで、生体内の内因性物質や薬物の膜透過機構について、バイオイメージングに関する研究はあまり進展していない。申請者は、新規蛍光プローブの合成あるいは検出系の確立等、トランスポーター輸送のリアルタイムイメージングに関して検討した。
既に調製済みの7-nitrobenz-2-oxa-1, 3-diazole(NBD)標識胆汁酸及びDY-675標識したケノデオキシコール酸(CDCA-DY-675)に加え、Cy5標識ケノデオキシコール酸(CDCA-Cy5)を合成した。本化合物を用いて、有機アニオントランスポーターであるOATPIBIおよびOATPIB3を発現させた細胞における輸送実験を行ったところ、両トランスポーターの基質とならないことが明らかとなった。
続いて、OATP1B1およびOATP1B3により輸送が確認されているNBD標識胆汁酸を蛍光プローブとして、セルファンクションイメージャーによる、輸送イメージングを画像解析した。その結果、OATPIBI細胞においてはNBD標識リトコール酸が、OATPIB3発現細胞においてはCDCA-NBDが最も濃縮的に取り込まれ、取り込まれた蛍光プローブは、細胞質に存在することが明らかとなった。また、同一細胞における経時的な取り込み量の増加(細胞内シグナル/バックグラウンド比の増加)が視覚的に確認された。阻害剤添加時には、それらの感受性に依存して取り込み量の低下が観察された。
以上の結果、申請者は蛍光プローブを用いた小分子輸送を視覚的にかつ経時的に捉えることに成功した。本研究成果により、生きた細胞のままトランスポーター機能を評価することが可能となったことから、これまで明らかにされていない駆動力等の輸送機構解明やそれぞれの個々の細胞における輸送特性解析に応用できるものと考える。

  • 研究成果

    (14件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (11件)

  • [雑誌論文] Simple quantification of lansoprazole and rabeprazole concent rations in humanserum by liquid chromatography/tandem mass spectrometry2008

    • 著者名/発表者名
      Takanori Hishinuma, et.al.
    • 雑誌名

      J Chromatogr B 870

      ページ: 38-45

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Contribution of the drug transporter ABCG2(breast cancer re sistance protein)to resistance against anticancer nucleosides2008

    • 著者名/発表者名
      Cornelia de Wolf, et.al.
    • 雑誌名

      Mol Cancer Ther 7

      ページ: 3092-3102

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Rapid screening of antineoplastic candidates for the human organic anion transporter OATP1B3 substrates using fluorescent probes2008

    • 著者名/発表者名
      Hiroaki Yamaguchi
    • 雑誌名

      Cancer Letter 260

      ページ: 163-169

    • 査読あり
  • [学会発表] 有機アニオントランスポーターOATP4C1によるEstrone-3-sulfateの輸送特性2008

    • 著者名/発表者名
      杉江美佐、山口浩明、岡田匡弘、阿部高明、後藤順一、菱沼隆則、島田美樹、眞野成康
    • 学会等名
      第47回日本薬学会東北支部大会
    • 発表場所
      岩手
    • 年月日
      2008-10-26
  • [学会発表] 有機アニオントランスポーターOATPIB1及びOATPIB3と相五作用する抗生物質の探索2008

    • 著者名/発表者名
      竹内俊子
    • 学会等名
      第47回日本薬学会東北支部大会
    • 発表場所
      岩手
    • 年月日
      2008-10-26
  • [学会発表] NanoLC/ESI-MS/MSを用いる血清プロテオーム解析法の構築に関する検討2008

    • 著者名/発表者名
      森大、阿部幸平、山口浩明、後藤順一、島田美樹、眞野成康
    • 学会等名
      第48回日本臨床化学会年次学術集会
    • 発表場所
      浜松
    • 年月日
      2008-08-31
  • [学会発表] NanoLC/ESI-MS/MSによる血清プロテオームの高感度分析のための基盤研究2008

    • 著者名/発表者名
      森大、阿部幸平、山口浩明、後藤順一、島田美樹、眞野成康
    • 学会等名
      第21回バイオメディカル分析科学シンポジウム
    • 発表場所
      札幌
    • 年月日
      2008-08-08
  • [学会発表] LC/MS/MSを用いたランソプラゾール及びラベプラゾール簡易定量法の構築とその血清中濃度解析2008

    • 著者名/発表者名
      鈴木香織、菱沼隆則、山口浩明、山岸初志、大原秀一、下瀬川徹、後藤順一、島田美樹、眞野成康
    • 学会等名
      第21回バイオメディカル分析科学シンポジウム
    • 発表場所
      札幌
    • 年月日
      2008-08-08
  • [学会発表] 腎臓特異的発現有機アニオントランスポーターOATP4C1の機能解析2008

    • 著者名/発表者名
      山口浩明、杉江美佐、岡田匡弘、阿部高明、後藤順一、菱沼隆則、島田美樹、眞野成康
    • 学会等名
      第30回生体膜と薬物の相互作用シンポジウム
    • 発表場所
      札幌
    • 年月日
      2008-08-08
  • [学会発表] 医療従事者の抗がん剤暴露調査を目的とするシクロホスファミドの高感度LC/MS/MS分析2008

    • 著者名/発表者名
      山口浩明、佐藤真美、阿部幸平、菱沼隆則、後藤順一、眞野成康
    • 学会等名
      第15回クロマトグラフィーシンポジウム
    • 発表場所
      静岡
    • 年月日
      2008-05-19
  • [学会発表] 有機アニオントランスポーターOATP4C1を介したestrone-3-sulfate輸送2008

    • 著者名/発表者名
      杉江美佐、山口浩明、岡田匡弘、豊原敬文、種本雅之、阿部高明、後藤順一、菱沼隆則、島田美樹、眞野成康
    • 学会等名
      第5回東北大学バイオサイエンスシンポジウム
    • 発表場所
      仙台
    • 年月日
      2008-05-19
  • [学会発表] NanoLC/ESI-MS/MSを用いた血清プロテオームの高感度分析に関する検討2008

    • 著者名/発表者名
      森大、阿部幸平、山口浩明、後藤順一、島田美樹、眞野成康
    • 学会等名
      第5回東北大学バイオサイエンスシンポジウム
    • 発表場所
      仙台
    • 年月日
      2008-05-19
  • [学会発表] 脳局在型胆汁酸トランスポーターSLC10A4の機能解析2008

    • 著者名/発表者名
      山口浩明、岡田匡弘、三日市剛、海野倫明、阿部高明、小野栄夫、大和田祐二、近藤尚武、菱沼隆則、後藤順一、島田美樹、眞野成康
    • 学会等名
      第5回東北大学バイオサイエンスシンポジウム
    • 発表場所
      仙台
    • 年月日
      2008-05-19
  • [学会発表] 蛍光プローブを用いたOATPIB3輸送抗がん剤のスクリーニング2008

    • 著者名/発表者名
      竹内俊子
    • 学会等名
      第5回東北大学バイオサイエンスシンポジウム
    • 発表場所
      仙台
    • 年月日
      2008-05-19

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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