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2009 年度 実績報告書

自己免疫性肝炎における肝樹状細胞に着目した早期診断とその病態解明

研究課題

研究課題/領域番号 19790394
研究機関新潟大学

研究代表者

富山 智香子  新潟大学, 医歯学系, 助教 (80359702)

キーワード自己免疫性肝炎 / 肝臓 / 樹状細胞 / 調節性T細胞 / 免疫学
研究概要

自己免疫性肝炎は肝障害の原因が自己免疫異常による慢性肝炎であり、その発症機序および炎症持続の原因には、自己肝細胞に対する免疫寛容破綻および自己への過剰な免疫応答が考えられている。しかし、ヒトの症例において制御性T細胞やIL-10産生低下など報告されているものの、まだ原因解明には至っていない。また、国内で最も多い慢性肝炎であるウイルス性肝炎患者において、樹状細胞の機能低下が報告されていることや免疫寛容破綻の原因として樹状細胞の副シグナル発現異常、及び制御性T細胞の減少が知られていることからも、自己免疫性肝炎でこの2つの細胞群が関連している可能性が十分考えられたため、当該研究ではモデルマウスを用いて標的臓器である肝臓に着目して検討を行った。その結果、自己免疫性肝炎モデルマウスの肝では活性化骨髄系樹状細胞が増加し、多量な炎症性サイトカイン産生を認めた。また、この肝障害を制御するには肝臓内の形質細胞様樹状細胞が部分的に必要である事を移入実験により明らかにした。さらに肝障害抑制が見られた樹状細胞移入群において、肝臓内での調節性T細胞の微増を認め、血中においてTh2サイトカイン産生を認めた。このことから、自己免疫性肝炎の肝障害の調節には肝樹状細胞、その中でも形質細胞様樹状細胞が部分的に必要であり、その抑制機序には調節性T細胞やTh2サイトカインも関わっている可能性が示唆された。よって、当該研究結果から自己免疫性肝炎における肝障害のコントロールには肝臓内の形質細胞様樹状細胞と制御性T細胞の連携が必要であり、これらをもとにした自己免疫性肝炎の早期発見及び新たな治療方法への基盤作成の可能性が示唆された。現在、当該研究成果をまとめた論文を作成中である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 備考 (1件)

  • [備考]

    • URL

      http://www.clg.niigata-u.ac.jp/~tomiyama/tomiHP/toppage.html

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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