研究課題
殺虫剤の広範な使用によって、日常的にこれらに殺虫剤へ曝露することが考えられる。特に日本は他国よりも農耕地面積あたりの殺虫剤使用量が多いという報告がある(経済協力開発機構、Environmental Performance Reviews Japan)。本年度はヒトへのピレスロイド系殺虫剤の非職業的曝露レベルを把握するために、北海道Y町および愛知県S市で得られた一般生活集団の尿中ピレスロイド系殺虫剤代謝産物である3フェノキシ安息香酸(3-PBA)の測定をガスクロマトグラフ/質量分析計にて実施した。その結果、両群における尿中の3-PBAレベルに有意な差は見られなかった。また、諸外国での報告と比較しても、尿中の3PBAレベルは同等かそれ以下であった。これらの結果より、地方と都会での非職業的なピレスロイド系殺虫剤の曝露レベルに差がないこと、さらには諸外国の曝露レベルともほぼ同等であることが示唆された。2型糖尿病モデル動物を用いて、有機リン系殺虫剤であるダイアジノン(DZN)の毒性実験を行った。その結果、糖負荷試験にて耐糖能を評価した場合、DZNは2型糖尿病モデルラットであるGoto-Kakizakiラットの耐糖能を有意に悪化させた。この現象にはDZNの動態変化、膵臓の組織学的変化、インスリン分泌能の変化は関与しないことを明らかとしたが原因は不明であり、さらに詳細な検討が必要である。
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