【研究概要】平成20年度は対象病院において、平成19年度から継続している1)受傷リスクの高い鋭利器材や手技を受傷リスクの低いものに変更するプログラム、2)職種・業務に特化したプログラム、3)安全器材の導入と教育研修セット等の職業性血液体液曝露防止プログラム開発した。対象病院において実施介入、プログラムモニタリングを行ない、新たに開発した介入プログラムによる針刺し低減効果を確認した。【方法】プログラム開発にあたっては、「針刺し損傷防止プログラムの計画、実施、評価に関するCKワークブック」(CDL、2004)を基本情報として利用し、対策の持続的な自主活動を支援する現場での日常的な予防策の実行のための参加ツールを作成した。これらのプログラムを地方公務員災害補償基金による公務災害防止研修、病院実地研修等で利用した。介入プログラムは、平成19年度の成果、および直近の学術論文レビューから、安全器材カタログ、安全器材サンプル等、情報普及に必要な資料を作成した。【結果】針刺し切創防止介入プログラムを、「Work Improvement Dialogue for Eliminating Needlestick Injury(WIDEN)プログラム:参加型針刺し切創防止研修(WIDEN)プログラム(管理職版360分、現場責任者版180病院実地研修版90分)」として開発した。これらは、サーベイランス、労働安全衛生対策の重要性、介入の具体的な方法(安全器材・廃棄容器導入、教育研修等)、効果評価とフォローアップ手法として整理した。介入の結果、ランセット、翼状針、静脈留置針においてはその介入効果が極めて大きいことが確認された。教育トレーニング手法ついては手法ごとの効果評価を継続している。針刺し切創防止に関する介入知見について「針刺し切創防止に関連した安全器材の役割と最近の話題(グローバルレビュー2009:4(1):2-5)」、「針刺し防止事業は病院の医療サービスを反映する鏡、トピック:高知県支部における公務災害防止事業について(月刊災害補償(2008;10:11))」等で成果を公表した。
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