研究課題
平成19年度は以下の点を明らかにした。1.東北大学近郊の小学校において、小学2年生の安静時検診血圧値を測定した。結果は男児が91.7±8.9/54.2±6.2mmHg、女児が90.5±8.7/54.5±5.7mmHgであり、体重・BMIと強い相関が認められた。測定値の左右差は認められず、測定回数による変化も有意ではなかった。本結果は米国小児科学会の7才児調査における平均値(男児97/57mmHg、女児96/57mmHg)より低く、幼少時の心血管系負荷の差が、本邦の長寿命の一因である可能性が考えられた。2.上記を通じて開発された小児家庭血圧計を用いて、Tohoku Study of Child Developmentコホート研究の小児を対象に予備調査を実施した。小児の就寝中血圧と朝の家庭血圧の差には、体重・BMIとの関連が認められ、メタボリックシンドローム要素の強い小児ほど夜間家庭血圧が高いこと、ひいては頚動脈などへの非可逆的な血管障害の蓄積・進行が危惧された。3.家庭血圧における夜間血圧の頚動脈病変への寄与を検証するため、大迫コホート研究の24時間自由行動下血圧のデータを解析した。その結果、随時血圧との差異や夜間を含めた血圧日内変動と予後との関連性が見出され、夜間血圧の重要性が明らかとなった。4.高血圧の日常診療に家庭血圧を導入した場合に、脳卒中の予後予測能が一層高まることを、大迫コホート研究のデータに基づいて明らかとした。
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Stroke 38
ページ: 1161-1166
Journal of Hypertension 25
ページ: 321-327
ページ: 1704-1710
http://www.cpt.med.tohoku.ac.jp/