1. 温熱鍼システムの温度調整に関して 筋肉等価寒天ファントムに一定の鍼灸鍼を刺鍼した場合、温熱鍼システムはその鍼尖周囲の温度調整を可能とし、(1)高周波出力高める(2)対面電極面積を大きくすることなどで温度を上昇させることが分かった。また、鍼灸鍼と対面電極の位置関係や刺鍼角度によって加温領域に変化をもたらすことが分かった。 2. 温熱鍼システムの実用化、医療機器申請の検討に関して 本システムの商品化を視野に、先端医療振興財団等の医療機器の開発支援機関や伊藤超短波等の医療機器メーカと検討を行った。その結果、本装置は技術的な問題はほぼ解決されてはいるが、大臣承認が必要な医療機器でさらには新規医療機器として審査される可能性があるため、厳格な安全性確認のもと治験が必要となり、多額の費用と時間がかかることが予想された。 温熱鍼システムの試作目標は達成したものの、量産の検討で以下の検討課題が判明した。 (1)新規医療機器の開発になれている企業と連携し、鍼灸器機よりも癌や腫瘍と言ったさらに幅広い全般医療機器としての応用を視野に入れる。 (2)医療機器申請の過程が比較的簡単なクラスIIに分類されるような仕組みに改良する。例:電極を鍼や体表面に装着しない等。
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