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2007 年度 実績報告書

香蘇散の抗うつ様作用メカニズム-脳内オレキシンと神経新生との関連性-

研究課題

研究課題/領域番号 19790463
研究機関(社)北里研究所

研究代表者

伊藤 直樹  社団法人北里研究所, 東洋医学総合研究所, 研究員 (00370164)

キーワード香蘇散 / 抗うつ様作用メカニズム / オレキシン / 神経新生
研究概要

これまでに我々は、漢方方剤「香蘇散」が抗うつ様効果を有し、その作用メカニズムとして視床下部-下垂体一副腎系(HPAaxis)の正常化及び脳内神経新生(neurogenesis)の促進作用を示してきた。また同時に、摂食ホルモンとして発見された脳内orexin-A(OX-A)の発現の挙動にも香蘇散が影響を与えた結果が得られている。しかし、OX-AとHPA axisの関連性を示した報告は数多くあるが、OX-Aとneurogenesisの関連性に関しては全く報告がない。そこでOX-Aとneurogenesisの関連性を明らかにする目的で、本年度は(1)neurogenesis亢進状態として報告されている副腎摘出マウスにおけるOX-A発現挙動の解析及び(2)OX-A脳室内単回投与におけるneurogenesisへの影響を検討した。また(1)(2)において行動解析も併せて行った。
(1)副腎摘出(ADX)マウスにおけるOX-A発現挙動の解析
ADXマウス作製後8日目及び35日目において、BrdU(神経幹細胞の指標)陽性細胞数はsham群と比べて増加したが、視床下部外側野のOX-A陽性細胞数は変化しなかった。また、sham群と比べてADX群で強制水泳試験による無動時間の短縮が認められた。
(2)OX-A脳室内単回投与におけるneurogenesisへの影響
Saline投与群と比べて、OX-A140pmol投与群でBrdU陽性細胞数の増加が認められたと同時に、強制水泳試験による無動時間の短縮が認められた。しかし、OX-A投与が血中のコルチコステロン量及びオープンフィールド試験による自発運動量(総移動距離及び総移動時間)に与える影響は認められなかった。
本年度の検討から、OX-Aは脳内neurogenesis亢進を介して、抗うつ様効果を発揮する可能性が示唆された。今後は、OX-Aが神経幹細胞の分化に与える影響及びOX-A脳室内反復投与における効果を検討することにより、OX-Aとneurogenesisの関連性についてより詳細な解析を行う予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2007

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Orexin A脳室内投与の神経幹細胞挙動及びマウス行動に与える影響2007

    • 著者名/発表者名
      伊藤直樹
    • 学会等名
      第29回日本生物学的精神医学会・第37回日本神経精神薬理学会合同年会
    • 発表場所
      札幌
    • 年月日
      20070711-13

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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