研究課題
C57bl/マウスへの高脂肪食負荷により、マウス体重、肝重量、脂肪組織重量は負荷期間と比例して増加した。この時のマウス血清の検討では、高脂肪負荷マウスでは、コントロールマウスに比べ軽度のalanine aminotransferase(ALT)の上昇と高中性脂肪血症を認めた。マウス肝臓を採取し、mRNAの変化をrealtime PCRで検討した。その結果Peroxisome proliferator-activated receptorγ(PPARγ)の上昇を認めた。また、PPARγには二つのバリアントがあり、脂肪組織以外の組織ではPPARγ1が主に発現していることが知られている。今回の研究で、脂肪組織のみに発現しているはずのPPARγ2の発現が肝臓の脂肪化に伴い上昇していることがわかった。また、脂肪滴形成に重要な働きをしていることが知られているPAT proteinをperilipin、adipose differentiated-related protein(ADRP)、tail-interacting protein of 47 kDa(TIP47)のmRNA発現検討を行った。その結果、ADRPのみが肝臓細胞脂肪化に従って変化し、mRNAが増加した。高脂肪食負荷マウスにおいてPPARγのリガンドを投与しマウスより血清、肝臓、脂肪組織を採取、現在血清学的な検討、肝臓組織学的な検討し、脂肪肝は他の報告と同様に改善されることわかった。この実験系でどのようなメカニズムが脂肪肝改善に関与しているかを検討している。肝臓の組織を抽出し、糖代謝、脂質代謝に関わる遺伝子の変化をrealtime PCR、western blottingおよび免疫組織染色で検討している。
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