研究課題
19年度は、まず、フタ新鮮切除臓器(食道、胃、大腸)を多数購入し、超拡大内視鏡(450倍の拡大により細胞や核観察ができるレベルの拡大内視鏡)観察時の最適な染色液の選定を行った。臨床使用可能な細胞染色液は限られているものの、安全性の面から実際に色素内視鏡で使用される機会がある、メチレンブルー、トルイジシブルー、クリスタルバイオレットを検討対象とし、もしこれらの染色液で良好な画像が得られなければ、他の染色液を模索することとした。染色性に影響を与える因子として、染色液の濃度、および、暴露時間が想定されたため、市販されている原液濃度(5%メチレンブルー、1%トルイジンブルー、1%クリスタルバイオレット)から1倍、2倍、5倍と希釈し、暴露時間を10,30,60,90秒と変えて細胞観察の検討を行った。客観性を保つため、異なる観察者での観察、同一観察者による異時観察を行った.結果として、重層扁平上皮である食道と円柱上皮である胃、大腸では最適な染色液が異なり、食道では1%メチレンブルー60秒染色が、胃、大腸では0.2%トルイジンブルー60秒染色との結論が得られた。この結果を踏まえて生体ビーグル犬を用いたin vivo実験に移行した。全身麻酔下のビーグル犬に対して、上記条件で超拡大内視鏡観察を行ったところ、食道、大腸ではきれいな染色画像が得られ、生体下での細胞観察が可能であったが、胃では切除臓器とは異なり、厚い粘液層の除去が不十分のためか、もしくは、持続的に粘液が産生されているためか、染色性が悪く生体下での細胞観察が不可能であった。以上から、20年度は胃における前処置法の検討とともに、食道、大腸ではヒトでの検討を進めていく予定である。
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