研究課題
19年度に得られた知見では、超拡大内視鏡(450倍の拡大により細胞や核観察ができるレベルの拡大内視鏡)観察時の最適な染色液は、重層扁平上皮である食道と円柱上皮である胃、大腸では異なり、食道では1%メチレンブルー60秒染色が、胃、大腸では0.2%トルイジンブルー60秒染色が最適であるとの結論であった。ただ、ここで得られた知見は切除臓器によるものであったため、in vivo条件である全身麻酔下ビーグル犬で超拡大内視鏡観察を行ったところ、食道、大腸では安定した良好画像が得られたが、胃では切除臓器とは異なり、厚い粘液層の除去が不十分のためか、もしくは、持続的に粘液が産生されているためか、染色性が悪く細胞観察が不可能であった。以上から、20年度は、胃における前処置法の検討を第一に行ったが、蛋白分解酵素であるプロナーゼの使用をはじめ、様々な前処置を試行したにもかかわらず、生態観察では安定した良好画像を得ることができず、胃における超拡大内視鏡観察の更なる検討は断念せざるを得なかった。引き続き、20年度の残期間を利用して生体でも良好な画像が得られた食道における詳細な検討に移行した。ヒトにおいても切除臓器と生体観察の超拡大内視鏡所見が相同であることを確認した後、切除臓器を用いた検討から、水平断におけるH&E染色の病理所見と超拡大内視鏡所見が極めて類似しており、従来からの病理診断が超拡大内視鏡診断に応用可能であることを明らかにした。正常部では、均一な小型核を有する扁平上皮細胞が規則正しく配列している一方、癌部では、不均一の大型核を有する癌細胞が密に増殖して観察された。さらに、超拡大内視鏡観察で得られた画像の核密度をコンピューター解析することで、正常部と癌部を自動診断できる可能性があることを示唆する新知見も得られた。
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