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2007 年度 実績報告書

大腸癌におけるDkk familyのWntシグナル制御機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 19790475
研究機関山梨大学

研究代表者

山口 達也  山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 助教 (30397301)

キーワード大腸癌 / Wnt / DKK / beta-catenin
研究概要

本研究の目的はDkk4のWntシグナル伝達経路への関与を解析し,大腸癌発癌過程におけるDkk4の役割を明らかにすることにある。DkkにはDkk4からDkk4まで4種類のホモログが存在するが,各々の機能の違いや発現調節機構は明確になっていない。われわれは大腸癌で高発現している遺伝子の1つとしてDkk4を見い出し,これに着目して研究を開始した。
大腸癌,腺腫患者の腫瘍部・非腫瘍部の生検検体を50症例以上集め,これらについてDkk family遺伝子の発現量を解析したところ,癌部ではDkk familyすべてが正常より高発現していた。同時に,Wnt pathwayによって発現誘導されるFGF-20とDkk family遺伝子の発現量の関連を解析したところFGF-20とDkk4の発現量に正の相関を認めた。またβ-catenin-dN134(安定型mutationを持つβ-cateninの発現plasmid)を293細胞に導入し,Dkk4の発現変化を蛋白量で検討したところβ-catenin-dN134を導入することにより,Dkk4は高発現した。このことより,Dkk4はWnt canonical pathwayにより発現が制御されている可能性が示唆された。さらにこれらの大腸癌生検検体を用い免疫染色を行なった結果,実際にβ-cateninが核内に移行している大腸癌ほどDkk4は高発現している傾向を示した。
大腸癌でDkk familyが高発現しているという知見は今までになく,さらにDkk4がWnt canonical pathwayにより発現が制御されている可能性が示せたことは大腸癌発生のメカニズム解明や,大腸癌の治療法の開発のみならず,発生のメカニズム解明において有意義であると考えられる。現在,さらにDkk familyの機能解析を進めている。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2007

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 大腸癌におけるDkk familyの遺伝子発現解析2007

    • 著者名/発表者名
      松井 啓、山口 達也、前川 信哉, ほか
    • 学会等名
      第49回日本消化器病学会大会
    • 発表場所
      神戸
    • 年月日
      2007-10-19

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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