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2007 年度 実績報告書

PPARαノックアウトマウスを用いたアルコール性肝障害の病態解析と治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 19790476
研究機関信州大学

研究代表者

田中 直樹  信州大学, 医学系研究科, 助教 (80419374)

キーワード栄養学 / ストレス / 病理学 / 内科 / アルコール
研究概要

昨年度の実験の結果,4%エタノールを長期間投与したPPARαノックアウトマウスでは野生型マウスに比しNF-KBの活性化が強力に生じていることが判明した。そしてNF-KBの活性化により誘導される炎症性サイトカイン(TNF-α,IL-1β,およびこれらの受容体),ケモカインや炎症細胞接着因子(MIP-2,ICAM-1),炎症促進因子(COX-2,iNOS),酸化ストレスを産生するNADPH oxidase,エンドトキシンにより刺激されるToll-like receptor 4,CD14の発現もPPARαノックアウトマウスで顕著に増加していた。そしてphosphatidylcholine (PPC)の共投与にてエタノール投与PPARαノックアウトマウスで見られた肝障害は著明に改善し,前述の変化もアルコール非投与群と同程度まで改善していた。以上の結果はアルコールによる肝毒性に対してPPARαが保護的に作用していること,そしてPPCがアルコール性肝障害を軽減する薬剤である可能性を示唆している。これらはリアルタイムPCR法にて得られた結果であるため,本年度はイムノブロットや免疫染色法を用いてこれらをさらに確認する予定で,現在論文作成中である。
同様に,PPARαノックアウトマウスでは野生型マウスに比しアルコール性胃炎を生じやすいことも発見した。リアルタイムPCR法を用いたmRNA定量により,PPARαノックアウトマウスでは胃粘膜においても前述の分子種が顕著に誘導されることが判明した。この実験結果はPPARαがアルコール毒性から胃粘膜を保護していることを示唆している。本年度はこれらの有意な結果をイムノブロットや免疫染色法を用いてさらに強化していく予定である。

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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