【目的】炎症性腸疾患モデルにおける樹状細胞上のJagged-1強制発現による免疫監視機構の解明と炎症性腸炎患者に対する治療への応用 【研究成果】 先ずSJLマウスの骨髄細胞から作製した樹状細胞にJagged-1発現プラスミドをトランスフェクションし、この細胞をSJLマウスの腹腔内に注入した。さらにこのマウスにトリニトロベンゼンスルホン酸を用いてTh1反応有意な腸炎を誘導しところ、コントロールプラスミド注入群に比して腸炎の程度は有意に改善していた。それぞれのマウスから腸管内リンパ球を取り出しサイトカイン産生をELISAにて測定したところ、Jagged-1強制発現樹状細胞を注入したマウス由来の腸管内リンパ球からのIFN-γ産生は有意に低下し、IL-10産生は有意に増加していた。Jagged-1強制発現樹状細胞とCD4陽性CD25陰性粘膜内リンパ球を共培養したところCD25陽性Foxp3陽性細胞の誘導が可能となった。上記の結果よりJagged-1発現は粘膜局所における制御性T細胞の誘導することにより腸炎が改善することが証明された。
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