1.ネオジェニンシグナルによって発現調節を受ける遺伝子の同定 ネオジェニンのリガンドであるヘモジュベリンを安定に発現する HuH-7 細胞株(HuH-HJV)を樹立した。HuH-7細胞およびHuH-HJV細胞のRNA 発現量についてDNAマイクロアレイによる比較を行った。その結果HuH-HJVでは、すでにネオジェニンーヘモジュベリンシグナルのターゲットであることが知られているヘプサイジンが過剰発現していた。さらにHuH-HJVにおいてセルロプラスミンやヘファエスチンといったフェロキダーゼやフェロポーチンの発現が低下していることが明らかとなった。 2.ヘモジュベリン蛋白質発現系の構築 ヘモジュベリンの組換えタンパクを精製するため、いくつかの大腸菌株で発現系を検討してみた。しかしながら、チオレドキシンとの融合蛋白質なども検討してみたものの、可溶化蛋白質をほとんど得ることができなかった。そのため哺乳動物細胞での発現系を構築することとした。本来ヘモジュベリンはGPI-結合蛋白質として、細胞外で発現しているタンパクである。そこで細胞外分泌シグナルはそのまま残し、ヘモジュベリンcDNAからGPIシグナル部分のみを除去した発現ベクターを構築した。現在、このプラスミドを安定に発現するクローンを選択中である
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