研究概要 |
我々は新たにFEI社製透過型電子顕微鏡Tecnai12BTを使用して我々が開発したGFP/CC14モデルの肝組織中の微小環境内での骨髄細胞の動態を通常電顕・免疫電顕によって観察した。モデルでの肝障害持続群と正常群と肝障害持続群に骨髄細胞投与群の三群の解析を行った。GFP抗体による免疫電顕によって今まで明らかに出来なかったGFP陽性骨髄由来細胞の定着,分化の形態的変化,肝細胞索構造の形成をとらえることができた。また骨髄細胞投与群では大量のlysosomeを含む肝細胞が増加しており,この細胞はGFP抗体での免疫電顕でほぼ一致を示していた。またマウス肝芽細胞のマーカーである肝芽細胞特異抗体のLiv2抗体のマウス胎児肝組織における免疫電顕でLiv2陽性細胞の形態などを評価することができ,実際の骨髄細胞投与肝組織でのLiv2陽性細胞の形態と経時的変化を検出した。現在も継続中である。 またaSMA抗体やMMP9抗体を使用した免疫電顕を行い肝星(伊東)細胞を同定し,GFP陽性骨髄細胞との関連やMMP9の発現,線維との関連を探究中である。 また肝前癌病変マーカーであるHHM抗体の免疫電顕によって,HHM陽性細胞を骨髄細胞投与群において検出することができた。今後HHM陽性細胞とGFP陽性骨髄細胞との関連を調べることで幹細胞の分化と癌化の接点を電顕レベルで評価できると考える。
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