質量分析による臨状プロテオーム解析を導入し、IPH肝臓における特異的タンパクの検索とIPH肝臓における蛋白ネットワーク解析を行った。対象はIPH症例の肝臓3検体と他疾患治療時摘出正常肝3検体を用いた。臨床プロテオーム解析は、QSTAR Elite Lc-Ms/Ms systemを用いた。Tissue Protein Extraction Reagentを使用し、各肝臓組織からタンパク質を抽出し、サンプル個別にトリプシン消化を行い、iTRAQ(R)試薬を用いて標識した。測定サンプルの混合を行い、QSTAR(R) Elite Hybrid LC/MS/MS Systemにて測定した。得られた測定結果をIngenuity Pathways Analysis (INGENUITY(R) SYSTEMS)を用いてネットワーク解析した。IPH肝臓において99%confidenceで発現が同定された蛋白数は151であった。IPH Case 1において、コントロール3検体と比較して高い値を示していた蛋白としてargininosuccinate synthetase、acyl-CoA synthetase、carboxyl-esterase 1、isocitrate dehydrogenase、pro-collagen-proline、peroxiredoxinがあった。IPH Case 2において、コントロール検体3検体と比較して高い値を示していた蛋白としてacyl-CoA synthetase、dicarvonyl/L-xylulose、D-dopachrome tautomerase、lactate dehydro-genase、peroxiredoxinがあった。IPH Case 3において、コントロール検体3検体と比較して高い値を示していた蛋白としてactinin、Annexin、hemoglobin delta、heat shock protein 90、lymphocyte cytosolic protein、moesin、myosine heavy chain、phosphofructokinase、vimentin、Transgelinがあった。ネットワーク解析をHepatic system diseaseのtermで行ったが特徴的なネットワークは見出せなかった。
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