(1)TLR7リガンドを用いた経皮免疫法の確立 : 経皮免疫法は、皮膚にワクチンを塗布するだけの非常に負担の少ない免疫法であるが、効率よくCTLを誘導することができた。脾細胞1×10^6個当たり400以上のスポットを検出した。イミキモド単独、ペプチド単独ではIFN-γ産生スポットは認められないが、イミキモドとペプチドを混和したワクチン投与を受けたマウスでは強いCTLの誘導が認められた。 (2)ヘルパーエピトープによるCTLワクチンの増強効果 : 効率を高めるために、結核菌antigen 85B由来の非常に強いヘルパーエピトープであるPeptlde-25を加えてマウスを免疫した。脾細胞1×10^5個当たり12+/-11のスポットを検出した。peptide-25の添加によって84+/-44スポットに増加した。peptide-25を加えることでその効果は7倍に増強した。 (3)HBVに対する経皮ワクチンの開発 : HBVコアタンパクに対するCTLの誘導が、感染防御に重要であることから、HBc CTLエピトープペプチドを用いた経皮免疫を検討した。CTL反応を増強するために用いるヘルパーエピトープには同じHBc抗原に対するThペプチドとpeptide-25を用いた。腫瘍抗原に対する経皮免疫応答によって確立したプロトコールを用いた。イミキモド50mgにHBcCTLペプチドを50μgとさらにヘルパーペプチドを(HBcThまたはpeptide-25)50μg混和してマウスの皮膚に塗布して免疫した。経皮免疫法によってHBc特異的なCTLの誘導に成功した。HBcThまたはpeptide-25の添加によりその効果はさらに増強させることができた。
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