I.血中Lp-PLA2濃度・活性と冠動脈プラーク組成の検討 Lipoprotein-associated phospholipase A2 (Lp-PLA2)とVirtual Histology血管内超音波で得られる冠動脈プラーク組成との関連を検討する。現時点で約70名の血液サンプルとculpritおよびnon-culpritでのVH-IVUSデータを収集した。古典的リスクファクター(脂質、喫煙、高血圧など)と冠動脈プラーク組成との関連についての統計学的検討では、いずれのファクターも冠動脈プラーク組成を規定しておらず、プラークの「組成」、つまり、プラークの「不安定化」には関連が薄い可能性が示唆された。Lp-PLA2の濃度測定は未施行で検討はまだであるが、プラーク不安定化に関与する候補因子としてLp-PLA2はさらに興味深いものとなり、本研究の重要性はより高まったと考えられる。 II.PLA2G7遺伝子多型(SNP)と冠動脈プラーク組成の検討 Lp-PLA2の遺伝子(PLA2G7)の多型(SNP)であるVal279Pheは、白人種には存在せず、日本人で約30%と高率に認められるため、遺伝子的側面からも検討を行う。まず、末梢血の白血球層よりDNAを抽出した。プライマーの設定を行い、PCRを施行した。予備実験として制限酵素を用いたSNP検出を行ったが、本SNPに対しては検出感度が低かったため、allele-specific oligonucleotide hybridization protocolにてSNPの検出を試み成功した。現時点で約40名のSNP解析を終了した。 III.血中Lp-PLA2濃度・活性と冠動脈プラーク破綻の検討 約15名の急性心筋梗塞患者の血液サンプルを収集した。Lp-PLA2濃度測定は未施行。
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