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2008 年度 実績報告書

ウェーブレット解析法を用いた重症心不全に対する新たな診断・治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 19790531
研究機関九州大学

研究代表者

岸 拓弥  九州大学, 大学病院, 医員 (70423514)

キーワード心不全 / 交感神経活動 / 動脈圧受容器反射
研究概要

前年度から引き続き実施した研究により、血圧・心拍数周波数変動をウェーブレット解析法を用いて解析を行い、重症心不全患者における交感神経活動をベットサイドで非侵襲的にリアルタイムで測定することが可能となった。その手法を用いて、1) 心拍出量の保たれている心不全患者に対するヒト心房性利尿ペプチドの自律神経機能に与える効果、2) 心拍出量の低下している心不全患者に対するPDE-III阻害薬の有効性の予測、3) カテコールアミン依存性重症心不全患者に対するβ遮断薬の導入の際の指標としての可能性、を検討した。1) では、明確な使い分けの基準がない、従来の利尿剤+血管拡張薬と最近使用頻度の高いヒト心房性利尿ペプチドにおいて、交感神経活動を抑制する作用がヒト心房性利尿ペプチドに強く認められることを明らかにし、両者の薬剤選択基準につながることが期待される。2) では、血圧とは無関係に有効・非有効症例の予測が可能となり、PDE-III阻害薬にドブタミンの併用をするかどうかが最初の段階で判断できることが明らかとなった。低心拍出状態の急性心不全の治療は急性心不全治療においてもっとも難渋する症例であるが、初期治療については経験的に行われている点が多く、数値化された指標による治療はきわめて少ない。また、心拍出量と動脈圧受容器反射の相関も非常に強いことも明らかにした。3) では、心移植を有するような重症心不全に対するβ遮断薬の導入の際に重要な指標であることが明らかとなった。いずれも、これまでの心不全治療の際に用いられていなかった指標であり、依然として予後不良かつ治療法の統一がなされていない急性重症心不全の治療において重要な指標となることが期待される。

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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