以前より我々が開発した EGFR変異迅速高感度検出法 PNA-LNA PCR clamp法を用いて、gefitinib感受性肺癌患者の同定を行っている。現在まで、当院を受診した約300名の肺癌を疑う患者に対し、同意を得た後に、EGFR変異検査を行っている。また、他院からの解析を含めると、約1500検体の解析を施行済みである。およそ30%の患者に変異の存在を明らかにした。 このEGFR変異に関与する因子として、女性・非喫煙・アジア人の腺癌に効率に認められることが明らかになっている。そこで我々は、統計学的に関連因子を同定する事を目的として、当院受診の患者において、年齢、性別、喫煙歴及び癌組織型等の因子とEGFR変異との関連性について、ロジスティック回帰による多変量解析を行った。その結果、喫煙歴及び癌組織型にEGFR変異との相関性が認められたのと同時に、性別による変異種の偏りがある事が解った(論文執筆中)。 また、現在同変異検査において、gefitinib耐性変異種の一つであるT790Mの検出する事も可能である。この検査は臨床試験として有益なだけでなく、癌治療の成功のために役に立つと考えられる。
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