以前より我々が開発した EGFR変異迅速高感度検出法PNA-LNA PCR clamp法を用いて、gefitinib感受性肺癌患者の同定を継続して行っている。現在まで、当院を受診した肺癌を疑う患者全例に対し、同意を得た後に、EGFR変異検査を行っている。また、他院からの解析を含めると、年間約1500検体の解析を施行している。また、現在変異検査において、gefitinib耐性変異種の一つであるT790Mも同時に検出している。 このEGFR遺伝子変異は、女性・非喫煙・アジア人の腺癌に効率に認められる。我々は、統計学的に関連因子を同定する事を目的として、当院受診の患者において、年齢、性別、喫煙歴及び癌組織型等の因子とEGFR変異との関連性について、ロジスティック回帰による多変量解析を行い、喫煙歴及び癌組織型にEGFR変異との相関性が認められたのと同時に、性別による変異種の偏りがある事が解った。 この一連の検査は臨床試験として有益なだけでなく、癌治療の成功のために役に立つと考えられる。
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