研究概要 |
1. COPD群及び対照群の当研究への登録:説明同意文書を利用して十分な説明の上、本人の自由意志に基づいて書面により本研究への参加の同意を得、COPD群及び対照群の当研究への登録を継続、同時に臨床データ採取も行っている。 2. ゲノムDNAの抽出:COPD及び対象群合わせて300名から血液サンプルを採取、ゲノムDNAの抽出及び血清も収集。遺伝子多型解析のためのPCR及び同産物の電気泳動(5-HTT遺伝子の多型(LIPR及びVNTR多型))、Taqman systemによる遺伝子型決定(5-HTTほか)を行い、5-HTTなどは遺伝子型決定を終了。 3. 臨床データについての解析:呼吸器症状及び検査(呼吸機能、動脈血液ガス、6分間歩行)、欝症状(MINIなどの抑うつ状態スコア)、肥満(体重及び身長、体液量検査、腹部CTによる内臓脂肪面積測定)、肺高血圧(心エコー)、睡眠時無呼吸(夜間酸素飽和度モニター)によるデータ採取及び入力を継続。うち、195名のCOPD患者について呼吸器症状及び検査データと欝症状との関連を解析、COPDのうつ症状について息苦しさ,閉塞性障害、肺気腫及びQOL(生活の質)との関連が示唆され、原疾患の治療がうつ症状改善からひいてはQOL改善にも寄与する可能性が高いことを日本呼吸器学会総会(2009年6月、東京)にて報告。本研究の遺伝子解析の現時点での結果などについて"COPDのgeneticsおよびphenotypes"という題名で、第2回呼吸機能イメージング研究会(2010年1月、沖縄)にて講演を行った。また、5-HTTの遺伝子型とCOPDおよびうつ症状との関連については、論文投稿準備中であり、来年度のアメリカ胸部疾患学会(2010年5月)での発表を予定している。
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