慢性閉塞性肺疾患(COPD)における重要な全身症状の一つであるdepressionの原因としてセロトニン代謝が関連しているとの仮説によりその遺伝子などの探査を行った。セロトニントランスポーター遺伝子であるSLC6A4について検討したところ、遺伝子多型rs20202936はpack-years及びCOPD罹患と有意に関連、また同遺伝子のほかの遺伝子多型rs3794808はHADSうつスコアと有意相関を認めた。SLC6A4の遺伝子多型は喫煙量、COPDの病態、鬱に相関することから、同遺伝子を修飾する薬剤がCOPD及びその合併症のうつの双方の治療につながる可能性があることが示唆された。
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