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2008 年度 実績報告書

加齢性腎障害の進展における新たな分子機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 19790580
研究機関京都大学

研究代表者

松原 雄  京都大学, 医学研究科, 特定病院助教 (90422964)

キーワード老化 / 細胞・組織 / 病理学
研究概要

本研究では、加齢に伴う腎障害の分子機構を解明するためには、まず老化で蓄積する終末糖化産物(AGE)と糸球体硬化の制御因子を解析した上で、さらに、それらと老化関連因子との相互作用を解明する方法を選択した。まず、AGE刺激により糸球体メサンギウム細胞に惹起される新規増殖因子Gas6(Growth arrest specific 6)に注目した。そして、加齢に伴い腎にAGEが蓄積すること、AGEの刺激により糸球体のGas6の発現が亢進して加齢性糸球体硬化に関与していることを加齢マウスおよび培養メサンギウム細胞を用いて証明した。また、糸球体硬化の制御因子に関しては、糸球体硬化の主病態がメサンギウム細胞におけるIV型コラーゲンの増加である点に着目した。そして、我々のこれまでの研究で同定していたIV型コラーゲンの制御因子Smad1が糖尿病性腎症モデル動物における糸球体硬化でも中心的役割を果たし、糸球体硬化のバイオマーカーの候補となりえることを明らかにした(Diabetes 2008(57),1712-22)。次に、これらの要素(AGE,Gas6,Smad1)と老化関連因子の相互関連を解析するため、Gas6の下流に位置し、老化にも重要な役割を果たすシグナル分子Aktに注目した。そして、老化マウスでは、Gas6の発現とともにAktのリン酸化も亢進して糸球体硬化がおこること、そして、Gas6ノックアウトの加齢マウスにおいては、Aktのリン酸化抑制に相関して糸球体硬化が抑制されていことを証明した(国内学会で発表)。現在は、Smad1がIV型コラーゲンの転写を制御して糸球体硬化の中心的役割を果たすことをin vivoで証明するために遺伝子改変マウスを用いた糖尿病モデルを作成し解析中である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Urinary Smadl is a novel marker to predict later onset of mesangial matrix expansion in diabetic nephropathy2008

    • 著者名/発表者名
      Mima A, Arai H, Matsubara T, et.al.
    • 雑誌名

      Diabetes 57

      ページ: 1711-22

    • 査読あり
  • [雑誌論文] The current clinical problems for early phase of diabetic nephropathy and approach for pathogenesis of diabetic nephropathy2008

    • 著者名/発表者名
      Doi T, Mima A, Matsubara T, et.al.
    • 雑誌名

      Diabetes Res Clin Pract 82

      ページ: S21-4

    • 査読あり
  • [学会発表] 加齢に伴う糸球体変化におけるGrowth arrest specific gene 6(Gas6)の役割とそのシグナル解析2008

    • 著者名/発表者名
      松原雄, 長井幸二郎, 柳田素子ら
    • 学会等名
      第51回日本腎臓学会学術総会
    • 発表場所
      福岡(日本)
    • 年月日
      2008-06-01

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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