研究概要 |
Connective tissue growth factor(CTGF)の腎線維化および糖尿病性腎症における役割を解明することを目的として研究を行い、以下研究の成果を得た。1. CTGFコンディショナルノックアウトマウスの作成。マウスCTGF遺伝子の開始コドンの12塩基上流から終始コドン直後までを欠失させる構造とし、targeting vector構築、組み換えES細胞の作成、キメラマウスよりheterozygous floxed CTGFマウスの確認をおこなった。CTGF遺伝子の欠失効率を検討するために、全身性にタモキシフェン誘導性Creリコンビナーゼを発現するRosaCreERT2マウスとの交配を行い、heterozygous floxed CTGFマウス/RosaCreERT2マウスにおいてタモキシフェン投与により、tail, 肝臓、腎臓より抽出したgenomic DNAにおいて、CTGF遺伝子の欠失が確認できた。また、homozygous floxed CTGFマウスを作出した。2. Tamoxifenによる誘導型糸球体上皮細胞(ポドサイト)特異的CreERT2マウスの作成。Creリコンビナーゼと変異エストロジェン受容体の融合蛋白CreERT2をヒトポドシンおよびネフリンプロモーターを用いてポドサイト特異的に発現するマウスを作成した。このマウスとRosa26Rレポーターマウスと交配を行い、double mutantマウスに4-hydroxytamoxifenを投与したところ、podocyteにおいてbeta-galactosidase陽性となり、誘導型Creによるfloxed部位の欠失が確認された。3. Tamoxifenによる誘導型ポドサイト特異的CreERT2マウスとfloxed CTGFマウスとの交配を行っており、double mutantマウスが誕生した。
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