• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2007 年度 実績報告書

腎臓特異的な発現を示す新規ケトン体トランスポーターの生理機能の解明

研究課題

研究課題/領域番号 19790591
研究機関杏林大学

研究代表者

平田 拓  杏林大学, 医学部, 助教 (60372918)

キーワードトランスポーター / ケトン体 / オルファントランスポーター / メタボローム / 糖尿病 / 有機イオントランスポーター
研究概要

腎尿細管特異的な薬物トランスポーターであるOATN1(novel type organic anion transporter 1)の生理機能を明らかにするため、knockout mouseを作成しCE-MS法を用いて尿中化合物の網羅的ディファレンシャルディスプレイを行った。その結果、野生型ではほとんど尿中へ排泄されないケトン体がOATN1 knockout mouseにおいては有意に増加していることが明らかになった。これをよりはっきりと確かめるために、糖尿病を惹起させ、血中のケトン体濃度を上昇させた時のケトン体の尿中への排泄を検討したところ、OANTl knockout mouseにおいて有意なケトン体排泄が認められた。以上のことから、OATN1が生体内においてケトン体の再吸収トランスポーターとして働いていることが明らかになった。本研究の意義と重要性は以下の二点である。一つは、ゲノムプロジェクト以降、まだ多数残る生理機能が不明のトランスポーター(オルファントランスポーター)の解析方法として、knockout mouseにCE-MS法を応用した生体内分子の網羅的解析方法を実現したことである。今後のトランスポーター研究において、オルファントランスポ一ターの生理機能の解明だけでなく 既に機能が知られているトランスポーターの再評価にとても重要な手法となってくると考えられ、本研究は世界に先駆けてその手法を示したものである。二つ目は、長らく不明であったケトン体の再吸収トランスポーターの分子実体を明らかにした点である。ケトン体はグルコースが使えない状態における第二のエネルギー源であり、糖尿病を含め様々な病態で重要なものとなってくる。医療・医薬への応用も期待される。

  • 研究成果

    (18件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (17件)

  • [雑誌論文] メタボロミクスによるトランスポーター研究の新展開2008

    • 著者名/発表者名
      金井好克, 平田拓
    • 雑誌名

      実験医学 26

      ページ: 18-23

  • [学会発表] 網羅的遺伝子発現プロファイリングによるエネルギー代謝に関わる新規トランスポーター遺伝子の探索2008

    • 著者名/発表者名
      平田 拓
    • 学会等名
      特定領域研究「G蛋白質シグナル」&「膜輸送複合体」合同若手ワークショップ2008
    • 発表場所
      箱根
    • 年月日
      20080126-28
  • [学会発表] 線虫アミノ酸輸送体の機能制御における糖タンパク質の関与2008

    • 著者名/発表者名
      平田 拓
    • 学会等名
      2008糖鎖全体会議
    • 発表場所
      大阪
    • 年月日
      20080121-22
  • [学会発表] DNAマイクロアレイを用いたエネルギー代謝に関わる新規トランスポーター遺伝子の探索2008

    • 著者名/発表者名
      平田拓
    • 学会等名
      第81回日本薬理学会年会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      2008-03-19
  • [学会発表] Analysis of C. elegansSLC7 amino acid transporters.2007

    • 著者名/発表者名
      Taku Hirata
    • 学会等名
      16th international C. elegans meeting
    • 発表場所
      Los Angeles, USA
    • 年月日
      20070627-0701
  • [学会発表] Identification and characterization of an intestinal amino acid trans porter (AAT-4) in Caenorhabditis elegans.2007

    • 著者名/発表者名
      Kanokpom Phetdee
    • 学会等名
      16th international C. elegans meeting
    • 発表場所
      Los Angeles, USA
    • 年月日
      20070627-0701
  • [学会発表] Molecular Identification and Functional Characterization of a Nove 1 Organic Anion Transporter OATN12007

    • 著者名/発表者名
      Taku Hirata
    • 学会等名
      American Society of Nephrology 38th Annual Renal Week Meeting
    • 発表場所
      San Francisco, U.S.A.
    • 年月日
      2007-11-04
  • [学会発表] 線虫C. elegansのアミノ酸トランスポーターの解析〜線虫ユニークなアミノ酸輸送体の解析〜2007

    • 著者名/発表者名
      平田 拓
    • 学会等名
      CREST班会議
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2007-10-21
  • [学会発表] 糖尿病モデルハウスを用いた網羅的遺伝子発現プロファイリングによるエネルギー代謝に関わる新規トランスポーター遺伝子の探索2007

    • 著者名/発表者名
      平田拓
    • 学会等名
      分子腎臓研究会第13回研究発表会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2007-09-01
  • [学会発表] Elucidation of function of an orphan transporter from SLC22 organic cation/anion/switterion transporter family by metabolome analysis2007

    • 著者名/発表者名
      Taku Hirata
    • 学会等名
      BioMedical Transporters 2007
    • 発表場所
      Bern, Switzerland
    • 年月日
      2007-08-13
  • [学会発表] 上皮型中性アミノ酸トランスポーターB^0 ATPIによるメチル水銀輸送の検討.2007

    • 著者名/発表者名
      Islam R
    • 学会等名
      第29回日本中毒学会総会・学術集会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2007-07-27
  • [学会発表] Transportsome study by using C.elegans as a model.2007

    • 著者名/発表者名
      Phetdee K
    • 学会等名
      特定領域「生体膜トランスポートソームの分子機構と生理機能」平成19年度第1回班会議
    • 発表場所
      湘南
    • 年月日
      2007-07-23
  • [学会発表] Identification of the CD98hc interacting proteins by proteomics ap proach.2007

    • 著者名/発表者名
      Kanyarat P
    • 学会等名
      特定領域「生体膜トランスポートソームの分子機構と生理機能」平成19年度第1回班会議
    • 発表場所
      湘南
    • 年月日
      2007-07-23
  • [学会発表] 腎特異的Ptostaglandin輸送体OAT-PGによる腎皮質内PGE^2循環システムの確立2007

    • 著者名/発表者名
      波多野 亮
    • 学会等名
      特定領域「生体膜トランスポートソームの分子機構と生理機能」平成19年度第1回班会議
    • 発表場所
      湘南
    • 年月日
      2007-07-23
  • [学会発表] 新規プロスタグランジン特異的トランスポーターOAT-PGの生理機能の解析2007

    • 著者名/発表者名
      波多野亮
    • 学会等名
      第2回トランスポーター研究会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2007-06-10
  • [学会発表] Hartnup病原因遺伝子B^0AT1(SLC6A9)の細胞内C末端結合タンパク質の固定2007

    • 著者名/発表者名
      安西 尚彦
    • 学会等名
      第2回トランスポーター研究会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2007-06-09
  • [学会発表] 上皮型中世アミノ酸トランスポーターBOAT1によるメチル水銀輸送の検討2007

    • 著者名/発表者名
      Islam R
    • 学会等名
      第116回日本薬理学会関東部会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2007-06-02
  • [学会発表] メタボローム技術を用いた新規有機イオントランスポーターOATN1の生理機能の解明2007

    • 著者名/発表者名
      平田拓
    • 学会等名
      第50回日本腎臓学会学術総会
    • 発表場所
      浜松
    • 年月日
      2007-05-25

URL: 

公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi