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2008 年度 実績報告書

ポリグルタミン鎖ダイマー形成が及ぼす神経変性機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 19790602
研究機関新潟大学

研究代表者

高橋 俊昭  新潟大学, 医歯学系, 助教 (70377191)

キーワードポリグルタミン病 / 細胞内カルシウム濃度 / オリゴマー / 封入体 / FRET / 神経変性
研究概要

【今年度の研究目的】ポリグルタミン鎖のオリゴマーがもたらす細胞障害機序を検討、および、オリゴマー形成を抑制する薬剤の選定を主な目標とした。
【方法】(1)細胞内Ca^<2+>濃度変調に及ぼす影響 ; ポリグルタミン鎖発現細胞(COS7)をFRET microscopyによりオリゴマー形成細胞と非形成細胞を判別し、細胞膜透過型蛍光指示試薬 : fluo-4 AM(Molecular Probes)を細胞外添加(終濃度5μM)し、30分間37℃下でincubationした。添加前後の蛍光強度比△F/F(excitation 488nm, emission 515~555nm)を測定し、オリゴマー形成細胞、オリゴマー非形成細胞、ポリグルタミン鎖非発現細胞とで細胞内Ca^<2+>levelを比較検討した。
(2)ポリグルタミン鎖オリゴマー形成を抑制する化合物の評価・選定 : FRET microscopyにより生細胞下でオリゴマー形成を可視化しつつ、既報化合物や新規候補化合物を細胞外添加し、オリゴマー形成の阻害効果を評価した。
【研究成果】(1)ポリグルタミン鎖(Q80)のオリゴマー形成細胞群、非形成細胞群、ポリグルタミン鎖非発現細胞群間において、細胞内Ca^<2+>濃度には有意な変化を認めなかった。(2)アミロイドβ形成阻害効果が報告されている化合物D-KLVFFAやibuprofenはポリグルタミン鎖のオリゴマー形成には影響を及ぼさず、PGL-135では若干のFRET抑制効果を認めた(FRET陽性率 : PGL-13523%, 対照30%)。これらに対し、FRET systemを用いた新規選定により、新たなオリゴマー形成を有効に阻害する化合物を同定し得た(未発表)。この化合物は濃度依存性にFRET陽性細胞率の減少(10mM ; 25%, 20mM ; 15%,50mM ; 12%, 対照30%)が確認され、オリゴマー形成に対する強い抑制効果が確認された。
【考察・結論】新たなオリゴマー形成を抑制する化合物を選定しえた。今後は、この化合物の効果について、細胞死抑制、動物モデル(DRPLA transgenic mice)への投与による表現型や生存期間、中枢神経病理所見の改善などの検討に発展させていく予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2008

すべて 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [学会発表] Soluble polyglutamine oligomers formed prior to inclusion body formation are cytotoxic2008

    • 著者名/発表者名
      高橋俊昭
    • 学会等名
      The American Society for Cell Biology 48^<th> meeting
    • 発表場所
      アメリカ合衆国San Francisco, Califbrnia
    • 年月日
      2008-12-14
  • [図書] Research Advances in Spinocerebellar Degeneration and Spastic Paraplegia 20082008

    • 著者名/発表者名
      高橋俊昭
    • 総ページ数
      18
    • 出版者
      RESEARCH SIGNPOST

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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