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2008 年度 実績報告書

血液神経関門を構成する微小血管内皮細胞の機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 19790610
研究機関山口大学

研究代表者

佐野 泰照  山口大学, 医学部・附属病院, 医員 (20379978)

キーワード血液神経関門 / 血液脳関門 / 密着結合 / 輸送担体 / 末梢神経
研究概要

炎症性末梢神経疾患においては血液神経関門(blood-nerve barrier : BNB)の破綻が存在し, 病気の進行に大きく関わっている. BNBは血液脳関門(blood-brain barrier : BBB)に比し十分に解明されていないのが現状である. 本研究の目的は血液神経関門の首座である神経内膜内微小血管内皮細胞を単離・培養し, BBBを構成する内皮細胞との共通点や相違点を明らかにすることである. ヒト坐骨神経由来の内皮細胞を用い, これらの内皮細胞株のもつ性質を解析した. 本研究はヒトの細胞を用いるため, ヘルシンキ宣言に基づき研究計画が策定され, 山口大学附属病院の倫理委員会にて認可を受けた後に研究を開始した. 材料として剖検にて得られたヒト坐骨神経を用いたため, ご遺族に対し説明後文書にて同意を得た後に研究を開始した. 得られたヒト神経内膜内微小血管内皮細胞株はBBBを構成する内皮細胞が発現しているclaudin-5, occludin, ZO1などのtight junction構成分子を発現しており, P-glycoprotein, ABCG 2などのefflux transporterやGLUT-1などのinflux transporterも発現していた. 本年度の研究結果および昨年度のラットを用いた研究成果から, BNBを構成する内皮細胞はBBBを構成する内皮細胞と同様にバリアに特化した性質を有する細胞であることが明らかになった. 本研究結果はBNBの生理機能解明のみならず, 難治性末梢神経疾患の新たな治療法開発へつながりうる意義深いものである.

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] 血液神経関門の形態と機能2009

    • 著者名/発表者名
      佐野泰照
    • 雑誌名

      臨床脳波 51

      ページ: 32-36

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Peripheral nerve pericytes originating from the blood-nerve barrier expresses tight junctional molecules and transporters as barrier-forming cells2008

    • 著者名/発表者名
      Fumitaka Shimizu
    • 雑誌名

      J Cellular Physiology 217

      ページ: 388-399

    • 査読あり
  • [学会発表] A new conditionally immortalized human brain microvascular endothelial cell line2008

    • 著者名/発表者名
      Yasuteru Sano
    • 学会等名
      American Neurological Association 133 rd Annual Meeting
    • 発表場所
      Salt Lake City, USA
    • 年月日
      2008-09-23
  • [学会発表] ヒト血液神経関門in vitroモデルの確立2008

    • 著者名/発表者名
      安部真彰,佐野泰照,清水文崇,前田敏彦,神田隆
    • 学会等名
      第19回日本末梢神経学会
    • 発表場所
      名古屋
    • 年月日
      2008-09-05
  • [学会発表] ヒト神経内膜内微小血管内皮細胞(HPnMECs)のcell lineの作成2008

    • 著者名/発表者名
      安部真彰,佐野泰照,清水文崇,前田敏彦,神田隆
    • 学会等名
      第49回日本神経学会総会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      2008-05-16

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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