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2007 年度 実績報告書

筋萎縮性側索硬化症におけるミクログリア介在性の炎症機転の解析

研究課題

研究課題/領域番号 19790612
研究機関九州大学

研究代表者

立石 貴久  九州大学, 大学病院, 助教 (50423546)

キーワード脳神経疾患 / 神経化学 / 病理学 / 筋萎縮性側索硬化症
研究概要

1.ALSに対するミクログリア関連炎症機転の解析と治療法の開発
孤発性ALS42例、孤発性SPMA12例、その他の非炎症性神経疾34例の髄液上清中の27種のサイトカイン・ケモカインの多項目同時測定を行った。また3群間での濃度の比較と有意差を認めた項目に関して、髄液サイトカインと臨床スコアとの相関を解析した。ALS患者群ではMCP-1と重症度を示すALSFRS-Rとの間では負の相関を認め、MCP-1と髄液蛋白濃度との間で正の相関を認めた。また、MIP-1βとALSFRS-R、罹病期間との間で正の相関、進行の速さを表すdisease progression rateとの間には負の相関を認めた。重症度高いほど髄液中MCP-1濃度が高く、重症度低いほど髄液中MIP-1β濃度が高いことが考えられた。これまでの報告で我々はALSにおいてMCP-1は運神経細胞障害的作用をもつと報告しており、MCP-1と逆相関を示しているMIP-1βには運動神経保護的作用を持つ可能性が考えられた。
また、ALS髄液中で上昇していたVEGFについて検討した。6例のALS患者とコントロール6例の脊髄剖検材料を用いて、免疫染色を行いVEGFとその転写因子であるHIF-1α、およびVEGFレセプターの発現の局在を検討し、デンシトメトりーにて比較した。ALS脊髄の前角細胞ではコントロールと比較して、VEGFの発現が低下し、HIF-1αの発現が充進しており、前角細胞のデンシトメトリーにおいても有意差を認めた。また、ALS脊髄においてはアストロサイトにおいてVEGFの発現の充進を認めた。VEGFレセプターに関しては、Control群と比較してALS脊髄において、発現が低下し、デンシトメトリーでも有意差を認めた。ALS運動神経細胞では組織内虚血やIL-1β,TNF-αなどの炎症性サイトカインにより誘導されたHIF-1αからVEGFの産生に至る過程の障害、およびVEGFレセプターの発現低下によるVEGFの機能不全が運動神経細胞死に関わっている可能性があると考えられた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Increased IL-13-producing Tcells in ALS: positive correlations with disease severity and progression rate.2007

    • 著者名/発表者名
      Shi, N
    • 雑誌名

      J Neuroimmunol 182

      ページ: 232-235

    • 査読あり

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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