研究概要 |
I短期間での血糖コントロールの是正による血小板のmicroaggregationの変化の解析 現時点で解析が終了した18名の結果は以下のようになった。年齢、糖尿病罹病期間、HbA1cの平均はそれぞれ60.7±13.0歳、11.2±8.62年、10.3±2.00%であった。約2週間の血糖コントロールにより、平均血糖は232.3±60.8mg/dlから148.7±27.2mg/dlへ有意に改善した(p<0.0001)。PAC-1(凝集機能の指標)、CD62p(顆粒放出の指標)両抗体の陽性率は44.9±19.2%から35.5±15.3%へ有意に改善した(p<0.05)。さらにPAC-1、CD62p両抗体陽性率の改善度は、インスリン療法導入前の平均血糖と有意な相関を認めた(p<0.001,r=0.695)。また、pioglitazone内服の有無で検討すると、pioglitazone内服ありの群は、内服なしの群と比し、PAC-1、CD62p両抗体陽性率の改善度が有意に大きかった(p<0.05)。現在対象者を漸増しており、今後も症例数を増加し更なる解析を行う予定である。 II血小板機能異常と糖尿病性血管合併症(網膜症・腎症・神経障害・大血管障害)との関連を検討 大血管障害の指標の一つであるankle brachial pressure index(ABI)とCD62p抗体の陽性率とに有意な相関関係を認めた(p<0.001)。他の糖尿病性血管合併症との関連については、症例数を増加し検討する予定である。 III抗血小板剤による血小板機能の変化と下肢血流量改善との関連の解析 現時点で解析が終了した結果では、下肢MRI(2D-cine-PC法)での下肢血流量と血小板機能とに有意な相関関係は認めていない。症例数を増加し検討する予定である。
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