• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2008 年度 実績報告書

細胞骨格制御によるインスリン顆粒の動態調節機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 19790636
研究機関大分大学

研究代表者

木村 俊秀  大分大学, 医学部, 助教 (60404373)

キーワード低分子量Gタンパク質 / インスリン分泌 / 膵B細胞 / エンドサイトーシス / Rab27a / 糖尿病 / 細胞骨格 / コロニン
研究概要

増え続ける2型糖尿病に対する新しい治療や創薬を開発することは早急の課題であるが、そのためには膵B細胞におけるインスリン分泌のメカニズム、および糖尿病状態における分泌の障害機序を明らかにすることが必要である。本研究では、膵B細胞に発現し開口放出上流に関与すると示唆されている低分子量Gタンパク質Rab27aを介したインスリン顆粒の新たな動態調節機構を明らかにすることを目的とした。GDP型Rab27a結合分子としてアクチン束化活性を持つタンパク質coronin3を同定し、GDP型Rab27aとの特異的な結合を確認した。Coronin3はマウス膵B細胞の細胞質に分布しており、その一部はRab27aと共局在していた。また、グルコースによりGTP型からGDP型に変換されたRab27aはcoronin3と結合し、coronin3の局在を細胞質から細胞膜近傍へ変化させた。ノックダウン法を用いてcoronin3の発現を抑える、あるいはドミナントネガティブ体によりcoronin3とRab27aの結合を妨げると、インスリン顆粒膜のエンドサイトーシスが抑制された。以上の結果より、グルコース刺激によりGDP型に変換されたRab27aはcoronin3と結合し、エキソサイトーシスによって供給された細胞膜を細胞内に回収し、メンブレンリサイクリングを制御していることが明らかになった。本研究成果は、Journal of Cell Science誌に掲載された。本成果は、インスリン顆粒の動態調節を理解する上で極めて重要であると共に、基礎生物学上重要な知見である。従って、本年度の研究計画はほぼ達成することができたと考えている。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2009 2008 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (3件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Glucose-induced production of hydrogen sulfide may protect the pancreatic beta-cells from apoptotic cell death by high glucose2009

    • 著者名/発表者名
      Kaneko Y
    • 雑誌名

      FEBS Letters 583

      ページ: 377-382

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Diabetic nephropathy in transgenic mice overexpressing beta cell calmodulin2008

    • 著者名/発表者名
      Yuzawa Y
    • 雑誌名

      J.Am. Soc.Nephrol 19

      ページ: 1701-1711

    • 査読あり
  • [雑誌論文] The GDP-dependent Rab27a effector coronin 3 controls endocytosis of secretory membrane in insulin-secreting cell lines2008

    • 著者名/発表者名
      Kimura T
    • 雑誌名

      J.Cell Sci 121

      ページ: 3092-3098

    • 査読あり
  • [学会発表] GDP型Rab27a結合タンパク質coronin 3によるアクチン骨格制御とインスリン顆粒膜のリサイクリング2009

    • 著者名/発表者名
      木村俊秀
    • 学会等名
      第82回日本薬理学会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      2009-03-18
  • [学会発表] GDP型Rab27aはcoronin 3と結合しインスリン顆粒膜のエンドサイトーシスを制御する2008

    • 著者名/発表者名
      木村俊秀
    • 学会等名
      第31回日本分子生物学会年会
    • 発表場所
      神戸
    • 年月日
      2008-12-09
  • [学会発表] GDP型Rab27aはcoronin 3と結合しインスリン顆粒膜のエンドサイトーシスを制御する2008

    • 著者名/発表者名
      木村俊秀
    • 学会等名
      第51回日本糖尿病学会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2008-05-23
  • [備考]

    • URL

      http://vrww.med.oita-u.ac.jp/pharmacology/

URL: 

公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi