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2008 年度 実績報告書

GAD反応性免疫制御性T細胞の生体内誘導による自己免疫性糖尿病の発症抑制

研究課題

研究課題/領域番号 19790638
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

及川 洋一  慶應義塾大学, 医学部, 助教 (30296561)

キーワード糖尿病学 / 免疫学 / 免疫制御 / GAD / NODマウス
研究概要

1型糖尿病において、glutamic acid decarboxylase(GAD)に対する免疫応答が病態形成に対して抑制的な役割を担っている可能性を昨年度報告した。実際、GAD欠損NODマウスの脾細胞(3×10^6個)をNoD-scidマウスに移入(KOT群)したところ、糖尿病の移入率は21.4%であり、野生型NODマウスの脾細胞による糖尿病移入率(WTT群 ; 100%)と比較して有意に低かった。本年度は、そのメカニズムを明らかにするために、膵臓や膵リンパ節における各種サイトカイン・ケモカインのmRNA発現レベルの検討と組織学的検討を行った。その結果、免疫制御性サイトカインであるTGF-βの発現レベルがWTT群と比較してKOT群の膵組織において有意に上昇していた。また、膵島の免疫染色では、TGF-βの産生に関わる免疫制御性T細胞(regulatory T cell、以下Treg)がKOT群においてのみ膵島局所に浸潤していたことから、膵島へのTregの浸潤がKOT群における糖尿病発症の抑制に寄与している可能性が示唆された。一方、糖尿病の発症に寄与するケモカインCXCL10ならびにその受容体であるCXCR3の膵臓における発現レベルは、WTT群において有意に高値であったが、膵リンパ節においては逆にKOT群で高値であった。これは、糖尿病原性リンパ球の浸潤がKOT群では膵リンパ節に留まり、膵島局所への遊走が困難となっている状態を示唆しており、糖尿病の発症抑制に寄与するものと考えられた。本研究の結果、GADに対する免疫抑制性の応答は、糖尿病原性リンパ球を膵リンパ節に留め、かつ膵島において直接的に免疫制御を行うことによって、糖尿病の発症抑制に寄与する可能性が見い出された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Induction of and-whole GAD65 reactivity in vivo results in disease suppression in type 1 diabetes2009

    • 著者名/発表者名
      Yasuhiko Kanazawa, Akira Shimada, Yoichi Oikawa, Yoshiaki Okubo, Ai Tada, Takatoshi Imai, Junichi Miyazaki, Hiroshi Itoh
    • 雑誌名

      Journal of Autoimmunity (In press)

    • 査読あり

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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