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2007 年度 実績報告書

インスリン分泌細胞におけるTRPM2チャネル活性化機構の解明と創薬への応用

研究課題

研究課題/領域番号 19790640
研究機関昭和大学

研究代表者

石井 正和  昭和大学, 薬学部, 講師 (30307061)

キーワード糖尿病学 / チャネル
研究概要

TRPM2を発現している膵β細胞において、活性酸素による細胞死にTRPM2活性化が関与していることを明らかとした。しかしながらTRPM2はカルシウムだけでなくナトリウムも透過することから、TRPM2活性化により脱分極が生じ電位依存性L型チャネルも活性化される可能性ある。そこで本年度は、TRPM2と電位依存性L型カルシウムチャネルを有しているラット膵β細胞株RIN-5F細胞を用いて、過酸化水素刺激によりカルシウム応答と細胞死へのTRPM2とL型カルシウムチャネルの関与について検討した。その結果、過酸化水素刺激により2相性のカルシウム応答が認められ、このカルシウム応答には細胞内ストアからのカルシウム放出は関与せず、TRPM2とL型カルシウムチャネルを介した細胞外からのカルシウム流入が関与していた。電位依存性カルシウムチャネルが存在していないHEK293細胞にTRPM2を発現させた場合、過酸化水素刺激により1相性でかつ持続性のカルシウム流入が観察される。RIN-5F細胞を用いた実験においても、L型カルシウムチャネル阻害剤存在下では、TRPM2を介したカルシウム応答だと思われる持続性のカルシウム応答が認められた。一方、TRPM2チャネル阻害剤存在下では、過酸化水素によるカルシウム応答は一過性であった。なお、L型カルシウムチャネル阻害剤は過酸化水素によるTRPM2活性化に、またTRPM2阻害剤はL型カルシウムチャネルを介したカルシウム応答に影響しないことは確認している。さらに、過酸化水素による細胞死への各チャネルの関与について検討したところ、細胞障害についてはTRPM2の関与が大きく、L型チャネルも関与してはいるもののその寄与度は小さかった。以上の結果より、過酸化水素による膵β細胞障害にはTRPM2を介した持続性のカルシウム流入が大きく関与していろことが明らかとなった

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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