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2007 年度 実績報告書

WT1遺伝子発現異常による造血幹細胞への影響と白血病発症に関した分子生物学的解析

研究課題

研究課題/領域番号 19790668
研究機関大阪大学

研究代表者

西田 純幸  大阪大学, 医学糸研究科, 寄附講座助教 (00403189)

キーワード白血病 / 造血幹細胞 / WT1
研究概要

WT1遺伝子は様々な急性白血病で高発現している。持続的なWT1遺伝子の発現により造血幹細胞・前駆細胞の増殖を促進し、その分化を挿制する、さらに付加的遺伝子異常が加わることで白血病が発症するという我々の仮説を明らかにするため、造血細胞にWT1遺伝子を持続高発現するトランスジェニックマウス(WT1トランスジェニックマウス)の骨髄細胞を用いWT1遺伝子の造血幹細胞・前駆細胞における細胞周期または細胞増殖への影響について解析を行っている。
(1)WT1遺伝子の造血幹細胞・前駆細胞の増殖に与える影響を調べるため、cobble stone area formingcell(CAFC)assayを行った。その結果、WT1トランスジェニックマウス由来の骨髄細胞でCAFCは有意に増加した。
(2)同様にWT1遺伝子の造血幹細胞・前駆細胞の細胞分裂に与える影響を調タるため、in vivo CFSEproliferation assayを行った。その結果、WT1トランスジェニックマウス由来の骨髄細胞で造血幹細胞・前駆細胞を多く含むより未熟な細胞集団において、CFSE蛍光強度の低い集団、つまり、細胞分裂が多く認められた細胞集団が、野生型マウスに比して有意に増加していた。
以上の実験より、WT1遺伝子を持続高発現する造血幹細胞・前駆細胞では、その細胞増殖・細胞分裂が促進されることがin vitro並びにin vivoの系で明らかとなった。今後、WT1トランスジェニックマウスの造血幹細胞・前駆細胞を用い、これらの細胞における分子生物学的な解析を行う予定である。
WT1遺伝子の白血病発症における分子生物学的な機能を明らかにすることは今後、新たな白血病治療の開発に結び付くものと考えられる。

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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